和歌山電鐵貴志川線に寄り道し、終点の貴志駅までやってきたあとはニタマ駅長とご対面。たまカフェでランチも済ませて、和歌山へ戻りますが、ちょうど「たま電車」がやってきたので乗車してみました。
リニューアル列車「たま電車」はたまだらけの電車
和歌山まで戻ろうとしていたところ、貴志駅には「たま電車」がやってきました。「たま電車」は和歌山電鐵のリニューアル列車の第三弾で、スーパー駅長「たま」をモチーフにした電車です。ちなみに、鉄道デザインの第一人者、水戸岡氏のデザインによるものです。
上の写真のように、外観からしてネコです。塗装を変更して、先頭車に耳?を付けただけなのですが、往路で乗車した2270系電車と同じ形式の車両とはとても思えませんね。
内装もとことん「たま」に!
乗車してみると、さらにビックリ! ここまでやるかというほどに、「たま駅長」一色に染まっています。ロングシートは、いろいろな形の座席に取り換えられていて、モケットの柄が異なるだけでなく、デザインまで異なるこだわり様です。
車端部には本棚が設置され、子供向けの本がたくさん並べられていました。全線乗車しても30分ほどですが、これなら飽きることもなく、お子様連れでも安心ですね。


背面がネコの形をした座席や、ソファ型の座席まであります。自由席ですので、空いていれば、どの座席に座っても構いません。
よく見ると、ブラインドにも「たま駅長」が描かれています。
乗降扉もこんな感じです。
と、こんなふうに、とことん「たま駅長」にこだわった内装になっています。
この列車、特別な列車というわけではなく、他の車両と共通的に運用されています。つまり、時刻表にある普通列車の一つとして運転されていて、乗車券だけで乗車できるのです。
貴志駅から乗車したのは、ニタマ駅長目当ての観光客がほとんどでしたが、途中駅からは、高校生やサラリーマンも乗車してきて、普通にネコ型の座席に座っています。観光客には特別な電車でも、地元の方々にとっては日常なのでしょうね。
外国人観光客にも人気! ローカル線再生のお手本かも?
乗車していて気が付いたのは、外国人観光客がかなり乗っていることです。アジア系の、言葉からするとおそらく中国からの観光客だと思いますが、往路・復路ともに、数名ほど乗車しているのを見かけました。また、ランチに寄った貴志駅の「たまカフェ」でも、中国人観光客と思われる家族連れが食事をとっていました。
当然、この「たま電車」や、貴志駅のニタマ駅長が目当てだと思うのですが、和歌山県のローカル私鉄に過ぎず、沿線に目立った観光地もない貴志川線に、外国人観光客がわざわざ乗りに来るというのは、ある意味すごいことですね。
観光客を呼ぶ努力が実ったのか、和歌山電鐵に移管された2006年以降、それまで減少傾向にあった乗客数や運賃収入が増加に転じています。2006年にはリニューアル電車第一弾の「いちご電車」、2007年に「たま駅長」就任とリニューアル電車第二弾の「おもちゃ電車」の投入、それに、2009年には今回乗車した「たま電車」を投入と、矢継ぎ早に施策を打っています。ローカル線にはこうやって観光客を呼ぶべし、というお手本のようだなと感じたのでした。
もっとも、ローカル線とはいっても、大阪に近いですし、関西国際空港に近いのも外国人観光客を呼ぶのには有利に働いたかもしれません。ただ、このアイデアと行動力が無ければ、これらのメリットも活かせなかったでしょう。
紀州路快速でJR難波へ
「たま電車」で和歌山まで戻り、和歌山電鐵貴志川線の旅は終了です。
JR線のホームに移動し、すでに入線していた紀州路快速天王寺行きに乗車します。紀勢本線の御坊から乗車してきたのと同じ形式の225系4両編成です。
この紀州路快速が走る和歌山~天王寺はJR阪和線です。乗車した記憶がないので、おそらく初乗車になります。
14時14分に和歌山を発車。途中の日根野で関空快速の4両を連結します。このあたりまでくると大阪の近郊路線の様相を呈してきて、乗客もかなり増えてきます。日根野から先は快速運転となって快調に飛ばし、15時25分に阪和線の終点、天王寺に到着。ここで下車したのでした。
この紀州路快速、天王寺からは大阪環状線に入って、ぐるっと一周して、再び天王寺までやってきて終着となるようです。環状線に他路線から乗り入れる、というのは関東にはないので、なかなか新鮮ですね。
天王寺で、すぐにやってきた関西本線の列車に乗り換え、JR難波に到着しました。
近鉄アーバンライナーで名古屋へ
JR難波に到着したあと、徒歩で大阪難波駅に向かいます。徒歩で5分ほどですが、違う駅なのですね。
青春18きっぷの旅なので、当初は関西本線の普通列車を乗り継いで名古屋まで戻ることも考えたのですが、あまりに時間がかかりすぎるうえに、和歌山電鐵への寄り道の時間もなくなってしまうので諦めました。とはいえ、新大阪から新幹線でそのまま帰るのも「乗り鉄」の旅としてはつまらないので、近鉄特急に乗ることにしたわけです。
特急券はチケットレスサービスで購入済みですので、券売機で名古屋までの乗車券(2,360円)を購入します。特急料金は1,900円、DX料金が510円で、合計で4,770円。
名古屋から東京までの新幹線の料金を考えると、明らかに、大阪から新幹線で帰ったほうが安いのですが、近鉄の特急には一度乗ってみたかったですし、この記事のようにブログネタにもなるので、まあいいかと…(笑)。
近鉄アーバンライナー乗車の様子は、以下の記事で詳しく紹介しています。興味がありましたらご覧ください。
ということで、無事に名古屋まで戻ってきまして、19時59分発のこだま682号に乗車しました。「こだま☆楽旅IC早特」(現在は、EXこだまグリーン早得)で購入したグリーン車で優雅に(?)帰京しました。このときの様子は、以下の記事で紹介していますので、興味がありましたらご覧ください。
以上、10回にもなってしまった旅行記をご覧いただきありがとうございました!
今回の旅行の雑感と、交通費、青春18きっぷで乗車した区間・距離など、以下の記事でまとめています。
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