JR四国が、発足30周年を記念して、JR四国全線に乗り放題となる「JR四国発足30周年謝恩きっぷ」を発売します。利用可能期間が3か月もあるうえ、別途特急券を購入すれば特急にも乗車できる、非常に使い勝手のよいきっぷになっています。この記事では、JR四国が発売している他のフリーきっぷとの比較もしていますので、この秋に四国への汽車旅を予定されている方はぜひご覧ください!
「JR四国発足30周年謝恩きっぷ」とは?
「JR四国発足30周年謝恩きっぷ」の概要は以下の通りです。
- 利用期間:2017年10月1日(日)~12月27日(水)
- 有効期間:1日
- 発売期間:利用日の1か月前から7日前(前週の同曜日)まで
- フリーエリア:
- JR四国全線(宇多津~児島間を含む)の快速・普通列車の普通車自由席
- 土佐くろしお鉄道線(窪川~若井間)の普通列車の普通車自由席
- JR四国バスの路線バス(大栃線、久万高原線) ※高速バスには乗車できない
- 特急券、グリーン券、指定席券等を別途購入すれば、特急列車や、快速・普通列車の普通車指定席・グリーン席等へも乗車可能
- 発売箇所:JR四国の駅のみどりの窓口、ワープ支店、駅ワーププラザ及び、四国内の主な旅行会社
- おねだん: おとな 3,000円,こども 1,500円
詳しくは、JR四国のニュースリリースをご覧ください。
「JR四国発足30周年謝恩きっぷ」の発売について(JR四国ニュースリリース 2017年8月31日)
「JR四国発足30周年謝恩きっぷ」の特徴は?
「JR四国発足30周年謝恩きっぷ」の特徴は、何といっても 別途特急券を購入すれば、特急列車にも乗車できること でしょう。それでいて、一日乗り放題で3,000円なのですから、かなりおトクで使い勝手のよいフリーきっぷだと思います。
また、利用可能期間が10月1日~12月27日の約3か月と長い うえに、平日・土休日を問わずに利用できる ので、いろいろな目的に利用することができそうです。
他のフリーきっぷとの比較
JR四国は、実はかなりフリーきっぷが充実しています。通年利用可能でおトクなものが多いので、「JR四国発足30周年謝恩きっぷ」を利用するのが良いのか、他のフリーきっぷがよいのか迷ってしまいそうです。
基本的には、目的地がどこかや、どんな行程で旅行をしたいかによっておトクなフリーきっぷは変わってくると思います。ここでは、JR四国全線に乗車可能な他のフリーきっぷと比較してみたいと思います。
フリーきっぷ名称 | フリーエリア・効用 | 利用可能期間 | 有効期間 | おねだん |
---|---|---|---|---|
四国フリーきっぷ | JR四国全線(※1)の 特急・快速・普通列車 普通車自由席 |
通年 | 3日間 | 16,140円 |
週末乗り放題 きっぷ |
JR四国全線(※1)の 特急・快速・普通列車 普通車自由席 |
通年 (土休日) |
1日 | 10,280円 |
四国再発見 早トクきっぷ |
JR四国全線(※1)の 快速・普通列車 普通車自由席 |
通年 (土休日) |
1日 | 2,060円 |
バースデイきっぷ 普通車自由席用 |
JR四国全線(※1)の 特急・快速・普通列車 普通車自由席 |
~2018年4月2日 誕生日の月のみ 利用可能 |
3日間 | 9,500円 |
若者限定 四国フリーきっぷ |
JR四国全線(※1)の 快速・普通列車 普通車自由席 |
春季:3/1~4/12 夏季:7/20~9/12 冬季:12/10~1/12 |
3日間 | 9,800円 (25歳以下) |
JR四国発足30周年 謝恩きっぷ |
JR四国全線(※1)の 快速・普通列車 普通車自由席 |
10/1~12/27 | 1日 | 3,000円 |
※1: 宇多津~児島間、および、土佐くろしお鉄道線 窪川~若井間を含む
利用月限定や、年齢制限のあるきっぷも多いですが、JR四国の全線乗り放題フリーきっぷはかなり充実しています。
1日限定で特急も利用したいなら「JR四国発足30周年謝恩きっぷ」がおトク
そんな中で、「JR四国発足30周年謝恩きっぷ」と近いのは「四国再発見早トクきっぷ」です。四国再発見早トクきっぷのほうが1000円近く安いですが、特急券を購入しても特急には乗車できないという制限があります。
特急列車にも乗車したい場合には、「週末乗り放題きっぷ」が比較対象でしょうか。ただ、おねだんが10,280円と、「JR四国発足30周年謝恩きっぷ」の3,000円と比べるとかなり高額になってしまうので、特急列車にかなり乗車しないと「JR四国発足30周年謝恩きっぷ」に特急券を加えたほうが安くなりそうです。
また、「四国再発見早トクきっぷ」「週末乗り放題きっぷ」は土休日のみ利用可能なきっぷです。平日に旅行するなら「JR四国発足30周年謝恩きっぷ」一択ということになります。
結局、平日の旅行か、土休日でも特急にそこそこ乗車したい場合に「JR四国発足30周年謝恩きっぷ」がおトク ということになりそうです。
ちなみに、都市間の単純往復であれば、「Sきっぷ」という割引率の高い往復タイプ(特急自由席用)のきっぷがあります。
3日間利用するなら「四国フリーきっぷ」がおトク
一方、1日ではなく、複数日に渡ってフリーきっぷを利用したい場合は、「四国フリーきっぷ」「バースデイきっぷ」「若者限定 四国フリーきっぷ」あたりが候補となります。利用期間や年齢に制限のない「四国フリーきっぷ」は、特急にも乗れて3日間で16,140円です。「JR四国発足30周年謝恩きっぷ」3回分の9,000円との差額は7,140円。3日間で、特急料金7,140円以上乗車する場合には、「四国フリーきっぷ」のほうが有利です。
もちろん、「バースデイきっぷ」や「若者限定 四国フリーきっぷ」は、9千円台とかなりおトクですので、条件に合う方は、間違いなくこちらのきっぷのほうが良いでしょう。
つまり、3日間連続で四国を旅したいなら、おそらく「四国フリーきっぷ」のほうがおトク でしょう。
おすすめは「のんびりローカル線の旅」+「観光列車の旅」
ということで、「JR四国発足30周年謝恩きっぷ」は、平日にのんびりとローカル線を旅したい場合によさそうです。目的地までは特急券を別途購入してサクッと到着して、ローカル線では普通列車や、指定席券(列車によってはグリーン券)を購入して観光列車に乗車、という使い方がおすすめですね。
また、最近、JR四国にも増えてきている観光列車に乗車するのに「JR四国発足30周年謝恩きっぷ」を利用するのもよさそうです。特に、列車内で食事が提供される観光列車
- 「四国まんなか千年ものがたり」(多度津~大歩危)
- 「伊予灘ものがたり」(松山~伊予大洲・八幡浜)
は、全席グリーン車の特急列車として運転されます。「JR四国発足30周年謝恩きっぷ」であれば、特急券・グリーン券を追加すれば乗車できます が、他のフリーきっぷでは、グリーン車用のグレードの高いフリーきっぷ(例:「四国グリーン紀行」4日間グリーン車・普通車指定席に乗り放題で20,570円)が必要になります。
このように、他の料金券(特急券、指定席券、グリーン券等)を自由に組み合わせられるのが「JR四国発足30周年謝恩きっぷ」のメリット と言えそうです。
以上、「JR四国発足30周年謝恩きっぷ」の概要と、他のフリーきっぷとの比較について解説しました。この秋に四国で汽車旅をしたい方は、どのフリーきっぷが適しているのかを選ぶ参考にしてもらえればと思います。