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石勝線夕張支線は2019年3月末の廃止が決定! JR北海道は7.5億円拠出と用地の譲渡へ

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夕張支線の廃止に向けて協議を進めていたJR北海道と夕張市ですが、2019年3月末の廃止で合意しました。これで、126年の歴史を誇る夕張支線の廃止が正式に決定しました。JR北海道は、代替バスの運行費用7.5億円と、用地の一部譲渡に応じたということです。

石勝線 夕張支線は2019年3月末に廃止が決定!

JR北海道は、2019年3月末に石勝線夕張支線を廃止すると正式に発表しました。

JR北海道と夕張市は、以下の内容で合意しました。

  • 鉄道事業の廃止を平成31年(2019年)4月1日とする(3月末で廃止)
  • JR北海道は、持続可能な交通体系を再構築する費用として、7億5千万円を拠出する
  • JR北海道は、南清水沢地区に整備される拠点複合施設に必要な用地を一部譲渡する

なお、夕張支線廃止後は、路線バスが10往復運転されることになります。

おおむね、2月末に報道されていた内容のとおりとなったようです。

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夕張支線は石炭産業とともに衰退

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夕張支線は、明治25年に、その前身となる北海道炭礦鉄道室蘭線の支線として開業しました。その後、国有化され、札幌と夕張を結ぶ急行列車まで走っていました。この頃は、夕張炭鉱の活況とともに鉄道も賑わっていました。

ターニングポイントは、石炭産業が衰退し始めた昭和50年台頃。昭和50年には輸送密度2,318人/kmもあったのですが、分割民営化時の昭和62年には1,129人/kmに半減。その後の衰退は激しく、平成28年の輸送密度はたったの80人/kmにまで落ち込んでしまいました。

現在は夕張市内の生活路線

現在の夕張支線は、都市間鉄道の役目はほとんどなく、夕張市内の生活路線となっています。

列車は1日5往復のみ。新夕張駅で、石勝線を走る特急スーパーとかちやスーパーおおぞらに乗り継げば、札幌や帯広に出られるのですが、乗り換えが必要になることや、札幌~夕張間の高速バスのほうが料金・時間ともに有利であることなどから、都市間輸送には利用は少ないようです。

平成28年度の収支は1.66億円の赤字

夕張支線の平成28年度の収支は、上記のニュースリリースによると、

  • 収入: 10百万円
  • 費用: 176百万円

となっており、166百万円(1.66億円)の赤字です。さらに、老朽化した土木構造物を抜本的な修繕費用として、7億円が必要と試算されています。

赤字額の大きさもさることながら、営業係数(100円稼ぐのに必要な営業費用)が1,760円という数字が厳しさを物語っています。

JR北海道は7.5億円拠出と一部用地を譲渡

夕張市とJR北海道の協議において、JR北海道が、今後20年分の代替バスの運行費用に相当する7.5億円の拠出と、一部用地の譲渡に応じています。

経営危機に瀕しているJR北海道が、よく7.5億円もの拠出に応じたな、と思います。確かに、このまま夕張支線を運行していけば、1年で1.7億円近い赤字となります。5年分の赤字額を拠出することで、それ以降の赤字を止められるということなのでしょう。

鉄道路線の廃止に費用負担は必要か?

鉄道は公共交通機関という性格上、鉄道事業者の都合で突然廃止されたら沿線住民が困りますので、今回のように、沿線の自治体との協議は必要でしょう。

ただ、何年も大赤字で運行を続けてきて、廃止するときにも代替交通の整備費用の負担が必要になるというのは、一民間企業に対して求められるべきことなのでしょうか?

JRが代替バスを運行するとか、そのための初期費用を負担するということであれば、今後も地域の交通に携わるということで理解はできます。ところが、今回は代替バスを運行するのは夕鉄バスという別会社です。間接的に、夕鉄バスのJR北海道が支援しているように見えます。

JR北海道自体が支援を必要としているような状況ならば、本来は国や北海道が夕張市に対して支援をするというのが望ましいのではないでしょうか。

他の「単独で維持困難な線区」への影響は?

今回の夕張支線の廃止の正式発表で、JR北海道が「単独で維持困難な線区」としてあげた他の路線の影響はあるのでしょうか?

北海道が公表した「鉄道網のあり方」で、「他の交通機関との代替も含め、地域における検討・協議を進めていくことが適当」とされた以下の4線区については、影響がありそうです。

  • 留萌線(深川~留萌)
  • 根室線(富良野~新得)
  • 札沼線(北海道医療大学~新十津川) ※「バス転換も視野に」と記載
  • 日高線(鵡川~様似)

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日高線は、DMVやBRT、バス転換など複数の選択肢における初期費用と維持費用を算出し、それを元に協議中。札沼線は、JR北海道からのバス転換の提案に対して、沿線自治体の対応が割れており、協議の難航が予想されています。

このような状況で、夕張支線の廃止に対して、夕張市がJR北海道から有利な条件を引き出したとなると、上記4線区の沿線自治体も、一気に廃止・バス転換へ傾く可能性があるのではないでしょうか。

個人的には、拙速な判断はせず、十分に協議をしたうえで結論を出してほしいものです。


以上、夕張支線が2019年3月末に廃止されるという話題でした。JR路線の廃止は、2016年12月の留萠本線(留萌~増毛、JR北海道)、2018年3月の三江線(三次~江津、JR西日本)に続いて、ほぼ3年連続ということになります。いち鉄道ファンとしては、鉄道路線の廃止は残念ですが、地方の公共交通が今後どのようになるのか、見守っていきたいと思います。