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青函トンネル内での160キロ試験運転を実施へ! 北海道新幹線の時間短縮に向けてようやく動き出しました!

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北海道新幹線の青函トンネル内160キロ運転に向けて、来年度中にも、国とJR北海道が試験走行を実施するそうです。北海道新幹線の高速化の第一歩となるでしょうか。

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青函トンネル内での160キロ運転の試験走行実施へ

貨物列車とのすれ違い時の風圧による事故を防ぐため、北海道新幹線の最高速度は、青函トンネル内では時速140キロに制限されています。これは、北海道新幹線開通前に青森~函館間を結んでいた在来線特急「スーパー白鳥」と同じ速度です。

この制限があるため、北海道新幹線は、新青森~新函館北斗間の148.8kmを走行するのに約1時間を要します。平均時速150キロということですから、新幹線としてはかなり遅いですよね。

そのボトルネックとなっている青函トンネル内の最高速度を、現在の時速140キロから時速160キロに引き上げることが検討されていました。

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その後も「青函共用走行区間技術検討ワーキンググループ」の会議を重ね、今回、新在供用区間(新幹線と貨物列車が線路を共用している区間、全体で82km)のうち、青函トンネル内の54kmについて、2019年に最高速度を時速160キロに引き上げる方針を決めました。

来年度にも青函トンネルを含む新在供用区間での試験走行を始めるとのことです。

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これにより、東京~新函館北斗間の所要時間が3分ほど短縮され、3時間台になるとのことです。

東京~新函館北斗3時間台は象徴的な意味しかないが…

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最高速度をわずか20キロだけ上げることに、どれくらい意味があるのかと思うかもしれませんが、これには象徴的な意味があります。

航空機とのシェア逆転の目安、4時間を切る

現在、最も停車駅の少ない「はやぶさ」号は、東京~新函館北斗間を、最速4時間2分で走ります。青函トンネル区間の最高速度が時速160キロに上がれば、前述のように約3分の時短効果が見込め、東京~新函館北斗間の所要時間が4時間を切る ようになります。

一般に、新幹線と航空機のシェアが逆転するのが、新幹線での所要時間が4時間の距離と言われています。そういう意味で、4時間を切って、3時間台で東京~新函館北斗を結べるようになるというのは、航空機への対抗上、象徴的な意味があるのです。

函館まではさらに30分…

ところが、新函館北斗駅は「函館」という地名が入っているものの、函館の市街地までは約18kmも離れています。在来線の「はこだてライナー」に乗り換えて、15~20分ほどかかります。乗り換え時間も含めると、函館まではプラス30分といったところでしょう。

つまり、東京~函館で見れば、青函トンネルの最高速度を時速160キロに引き上げたとしても、依然として4時間の壁を切ることはできないのです。

将来の高速走行に向けての意味はある

最高時速を140キロから160キロに上げることで、数分の時間短縮を実現すること自体には、個人的にはほとんど意味はないと思っています。これによって、北海道新幹線のシェアが増えることも、おそらくないでしょう。

それでも、将来の200キロ超での高速走行に向けての第一歩という意味は大きい と思います。

報道によれば、

これまでの会議では、鉄道建設・運輸施設整備支援機構や鉄道総合技術研究所による分析などを基に「新幹線が青函トンネル内を時速160キロで走行した際に、すれ違いによる貨物列車の走行安全性に問題ない」と結論付けている。

(出典)北海道新幹線、青函トンネル内で160キロ試験走行実施へ (函館新聞電子版) - Yahoo!ニュース

とあるように、技術的な面での分析や検討がなされています。さらに、試験走行が開始されれば、いろいろなデータが取れるでしょうし、それによって、時速200キロ超や、北海道新幹線の最高速度である時速260キロでの運転に向けた課題も明らかになるでしょう。

そういう意味で、「第一歩」としての意味はとても大きいですね。

それでも北海道新幹線の「函館駅」はやはり必要では?

以前、当ブログでは、北海道新幹線が全線時速260キロで走行できたとしたら、所要時間がどのくらい短縮されるかを試算してみました。

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ざっくりした試算ですが、新青森~新函館北斗の所要時間が、現在の約1時間から30分強に短縮される可能性があります。つまり、新函館北斗で乗り換えて、函館まで行ったとしても、東京から4時間の壁を切る可能性が出てきたわけです。

東京~函館で4時間を切れれば北海道新幹線が有利かというと、そう簡単ではないと思います。

  • 新函館北斗駅での在来線への乗り換えが必要
  • 函館空港は函館の市街地に比較的近い(函館空港~函館駅はバスで約20分)

これらの条件を考えると、4時間を切ったところで、北海道新幹線のシェアが逆転するかいえば、そうならない可能性のほうが高そうです。

新幹線のメリットは、市街地の真ん中にある駅に直結できることであって、乗り換えは想像以上に敬遠されるのです。そう考えると、今更ですが、北海道新幹線の「函館駅」が必要だったのではないか と考えてしまいます。

さらに、函館は、札幌、旭川に次ぐ北海道第三の都市で、人口も約27万人と、それなりの規模の都市です。北海道新幹線のルートは、本州と札幌を最短ルートで結ぶように計画されていますが、札幌~函館という北海道内の主要都市間での利便性や時間短縮も、北海道経済にとっては重要なのではないかと思います。

フル規格新幹線は難しいとしても、新函館北斗~函館間の在来線を、青函トンネルのように三線軌条(在来線と新幹線が同一の線路を走れるように三本のレールを敷設した線路)にして、将来は、札幌~函館間に新幹線(ミニ新幹線?)が直通できるようにするくらいはしてもよいのではないかと思います。


北海道新幹線の青函トンネル内での最高速度を時速160キロに引き上げるという話題をお届けしました。札幌の延伸開業までは、まだ10年以上ありますので、それまでの間に青函トンネルを新幹線が高速で通過できるようにしてほしいですね。それと同時に、札幌~函館の利便性向上についても、何か施策を考えていただきたいところです。