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札沼線 北海道医療大学-新十津川間が廃止へ! 沿線4町がバス転換を容認、「単独で維持困難な線区」で初の廃止路線か?

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札沼線の北海道医療大学-新十津川間の廃止・バス転換へ向けて大きな動きがありました。最後まで廃止に反対していた月形町がバス転換容認に転じ、同区間は廃止されることが濃厚となってきました。JR北海道が公表している「単独で維持困難な線区」では、すでに廃止がほぼ決まっていた夕張支線を除いて、初の路線廃止となりそうです。

月形町が廃止・バス転換を容認へ

報道によりますと、札沼線 北海道医療大学-新十津川の沿線4町のうち、最後まで札沼線の存続を求めていた月形町が、廃止・バス転換を容認する意向を固めたとのことです。

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これで、当別町、月形町、浦臼町、新十津川町の沿線4町全てが廃止を容認することになり、JR北海道が提案している廃止・バス転換へ大きく舵を切ることになりそうです。

JR北海道が「単独で維持困難な線区」を公表したときに、すでに廃止・バス転換へ向けて協議が進んでいた石勝線夕張支線(新夕張-夕張)に次いで、「単独で維持困難な線区」2例目の廃止・バス転換となりそうです。

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廃止はいつになるのか?

次の注目は、廃止の時期でしょうか。

鉄道事業法では、路線の廃止は、原則として1年前の事前届出制となっています。「公衆の利便を阻害するおそれがない」と認められる場合には1年を経過しなくてもよいことになっています。

最近の例を見てみましょう。

  • 石勝線夕張支線(新夕張-夕張): 2019年4月1日廃止予定(2018年3月26日に届け出)
  • 三江線(三次-江津): 2018年4月1日に廃止(2016年9月30日に届け出)
  • 留萌本線(留萌-増毛): 2016年12月5日に廃止(2016年4月28日に届け出)

留萌本線は、届け出時点では2017年4月29日の廃止ということになっていましたが、廃止日の繰り上げが認められて、2016年12月4日が最終運行となりました。

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札沼線 北海道医療大学-新十津川間については、現時点では、沿線自治体が廃止容認の意向を固めた段階です。今後、代替交通となる路線バスの経路や運行本数、JR北海道の負担割合など、廃止に向けての協議が進むと思われます。これらが固まってから、廃止届を提出することになるのでしょう。

そうなると、2018年度中に協議をまとめて廃止を届け出て、2020年3月末で廃止というスケジュールがありそうです。もっとも、協議に加えて、代替バスを運行するためのバスや運転手の手配、バスターミナルなどの設備面での準備に要する時間次第で変わってきそうではありますが。

電化・非電化区間で全く性格の異なる札沼線

札沼線は、札幌(厳密には札幌の隣の桑園駅)~新十津川を結ぶ全長76.5kmの路線ですが、途中の北海道医療大学駅を堺に、大きく性格が異なります。

通勤路線と超ローカル線

JR北海道が公表している線区別データ(平成28年度)を見れば明らかです。

区間 輸送密度(人/キロ/日)
桑園~北海道医療大学 17,643
北海道医療大学~新十津川 66

(出典)平成28年度 線区別の収支状況(JR北海道、PDFファイル)


北海道医療大学までの区間は、札幌から直通の電車が走る通勤・通学路線です。輸送密度も1万人/キロ/日を超え、大量輸送という鉄道の使命を果たしている区間です。

一方、北海道医療大学~新十津川間は、非電化路線で、輸送密度が二桁という、JR北海道でも有数の閑散線区、いわば超ローカル線です。列車の本数は、

  • 北海道医療大学~石狩月形: 7.5往復/日
  • 石狩月形~浦臼: 6往復/日
  • 浦臼~新十津川: 1往復/日

と少なく、末端区間の浦臼~新十津川間に至っては、1日に1往復しか列車が来ません。これでは、交通機関としてまともに機能するはずがありません。

函館本線が近い末端区間

札沼線の末端区間にあたる浦臼町、新十津川町は、早くから廃止・バス転換を容認する姿勢を示していました。

この地図のように、札沼線(地図では「学園都市線」と表記されている路線)の末端区間は、石狩川を挟んで、函館本線とほぼ並行しています。それに、函館本線のほうが運転本数も多く、特急も走っています。

札沼線の終点、新十津川駅と、函館本線の滝川駅の間はわずか3kmほど。路線バスが運転されているほか、歩いても1時間かからずに到着します。乗り鉄の間では有名な乗り継ぎルートですが、駅までクルマで行く地元の方々からしてみたら、函館本線のほうが圧倒的に便利なのでしょうね。

他の「単独で維持困難な線区」への影響は?

JR北海道が公表している「単独で維持困難な線区」。北海道の鉄道ワーキングチームがまとめた報告書「北海道の将来を見据えた鉄道網(維持困難線区)のあり方について」では、以下の4線区が「他の交通機関との代替も含め、地域における検討・協議を進めていくことが適当」とされています。

  • 留萌線(深川~留萌)
  • 根室線(富良野~新得) ※2016年の台風被害により東鹿越~新得間で運休中
  • 札沼線(北海道医療大学~新十津川) ※「バス転換も視野に」と記載
  • 日高線(鵡川~様似) ※2015年の高波被害により鵡川~様似間で運休中

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これらのうち、札沼線(北海道医療大学~新十津川)だけは、明確に「バス転換も視野に」との記載があります。

その札沼線が廃止・バス転換へ向かうとなると、気になるのは残りの3線区です。JR北海道と沿線自治体の協議の行方次第では、廃止へ舵を切る沿線自治体も出てくるかもしれません。

特に、一部区間が災害で運休中の根室線や日高線では、沿線自治体が数億~数十億円にもなる莫大な復旧費用を負担する必要があり、鉄道存続のハードルはさらに高い状況です。


以上、札沼線 北海道医療大学-新十津川間が廃止の方向へ大きく傾いたというニュースでした。今後の協議の行方と、他の「単独で維持困難な線区」への影響については、今後もウォッチしていきたいところです。