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JR北海道が20年ぶりに運賃値上げを検討! 経営再建に有効な一手となるか?

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JR北海道の島田社長は、6月13日の会見で、運賃の値上げに言及したそうです。20年以上も値上げされていないJR北海道の運賃。経営状態を考えれば仕方がないとも思えますが、さらなる乗客減となってしまっては意味がありません。

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JR北海道社長が運賃の値上げに言及!

報道によりますと、JR北海道の島田社長は、経営再建策の一環として、運賃の値上げに言及したそうです。

 島田氏は「運賃は札幌市営地下鉄や路線バスより安いが、鉄道運営には莫大(ばくだい)な維持運営コストがかかる」と説明した。増収分は安全対策や輸送力強化などに使う方針という。

(出典)JR北海道:値上げ検討 96年以来、時期や額は未定 - 毎日新聞

また、6月12日に開催された自民党のJR北海道対策プロジェクトチームの会合でも、運賃の値上げについて理解を求めたとのことです。

20年以上も上がっていないJR北海道の運賃

いろいろなモノの値段が上がっている昨今、JR北海道の値上げがなぜニュースになるかといえば、JR各社の運賃は、1987年の国鉄分割民営化以降、消費増税に伴う改定以外では、ほとんど変わっていないからです。

JR北海道、JR四国、JR九州の3社は、1996年に運賃の値上げを実施していますが、それから22年に渡って、値上げはしていません。

JR東日本、JR東海、JR西日本の3社に至っては、1987年のJR発足以来、消費税の増税に伴う改定以外は、運賃値上げは一度も実施していないのです。

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ちなみに、1987年、1996年、昨年(2017年)の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数・全国)は、以下のとおりです。(2015年=100とした場合)

消費者物価指数
(総合指数)
備考
1987 86.5 JR発足
1996 98.2 JR北海道・四国・九州が値上げ
2017 100.2  

(出典)総務省統計局 ホーム>統計データ>日本の長期統計系列>目次>第22章 物価: 22-12 消費者物価指数(全国,総合,月別)(エクセル:29KB)

JR北海道が値上げをした1996年からは、2%ほどしか物価が上がっていません。日本経済が長らくデフレにあえいでいた時期ですので、物価はほとんど変わっていないのですね。

ですので、JR北海道の運賃がそのままなのは仕方がないかもしれません。ただし、この20年間で、JR北海道の乗客数は著しく減る一方、廃止になったいくつかの路線を除くと、列車の本数はほとんど変わっていません。収入だけが減り、費用はほとんど変わっていないということです。

JR発足時から見ると、14%も物価が上がっていますが、JR北海道の値上げは7%。さらに、本州3社は値上げせずに頑張っています。

値上げ幅はどのくらいのなるのか?

報道では、値上げ幅や値上げ時期については明らかにしなかったとのことですが、赤字路線を維持するための原資にするということであれば、それなりの値上げ幅になるのではないでしょうか。

比較対象として適切かは微妙ですが、整備新幹線開業・延伸時に経営分離された第三セクター鉄道、いわゆる「並行在来線」の運賃を見てみると、IGRいわて銀河鉄道(盛岡~目時)がJRの約1.5倍、青い森鉄道(目時~青森)が1.3~1.4倍です。北海道では、北海道新幹線開業時に経営分離された「道南いさりび鉄道」の運賃が約1.3倍です。

このくらいの運賃収入がないと経営が成り立たないということで値上げされたわけですから、おそらくこれらの第三セクター鉄道よりも輸送密度が低いJR北海道の運賃は安すぎるのでしょう。

つまり、いきなり1.5倍になることはないにしても、1.3倍くらいになる可能性はあるのではないでしょうか。

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もっとも、「単独で維持困難な線区」10路線13線区のうち、廃止になる路線がどのくらいあるのか、維持する路線でも上下分離方式などでJR北海道の負担が減る路線がどれくらいあるのかで、純粋にJR北海道が維持する路線の費用が変わってきますので、なんとも言えないところもあります。

値上げによる乗客減が心配

一方、あまりに値上げしすぎると、当然のことながら乗客減につながります。

観光客やビジネス客はそれほど問題ないにしても、ローカル線の主なお客さんである通学の高校生、通院や買い物のお年寄りにとっては、値上げは深刻な問題です。

これに対して、前述の並行在来線についても、通学定期券の値上げ幅がなるべく小さくなるように配慮するなどしています。また、病院への通院に利用できる往復割引券を販売しているところもあります。

もっとも、このような施策は、県や沿線の市町村などの自治体が株主になっている第三セクター鉄道だから実施しやすいという面があります。民間会社であるJR北海道がこのような割引ききっぷを発売できるようにするには、その割引分を沿線自治体が補填するといった協力が必要になりそうです。


以上、JR北海道が値上げについて言及したという話題でした。ある程度の値上げは仕方がないにしても、値上げしすぎると、乗客減→さらに値上げ、という悪循環に陥る恐れがあります。北海道や沿線自治体と協力して、重要な顧客である高校生やお年寄りが鉄道を敬遠しないような方策を考えてほしいものですね。