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JR北海道の日高本線 日高門別~様似間の廃止を容認へ! 鵡川~日高門別間の行方は?

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JR北海道の「単独で維持困難な線区」の一つである日高本線の鵡川~様似間。2015年の高波被害で長期運休となっています。今回、このうちの日高門別~様似間の鉄道での復旧を断念し、廃止・バス転換を容認することで、沿線の7町長が合意したとの報道がありました。残る鵡川~日高門別間はどうなるでしょうか?

沿線自治体が日高本線 日高門別~様似間の廃止を容認へ

報道によりますと、日高管内7町長は、11月17日に開催された臨時会議で、日高本線の日高門別~様似間(95.2km)の廃止を容認することで合意したとのことです。

www.nikkei.com

www.hokkaido-np.co.jp

日高本線は、苫小牧と様似を結ぶ全長146.5kmの路線です。その約8割にあたる鵡川~様似間は、2015年の高波による路盤流出など大きな被害が出て、長期運休となっています。

同区間は、JR北海道が2016年に公表した「単独で維持困難な線区」の一つにあげられています。さらに、輸送密度が200人/日以下と極端に利用が少ないため、国の支援対象から外された5線区のうちの一つでもあります。

現在の状況を区間ごとにまとめると、以下のようになっています。

区間 距離 現在の状況
苫小牧~鵡川 30.5km 胆振東部地震で被災
11月19日に運転再開
鵡川~日高門別 20.8km 2015年の高波被害で運休中
JR北海道がバス転換を提案中
日高門別~様似 95.2km 2015年の高波被害で運休中
JR北海道がバス転換を提案中
今回廃止を容認


苫小牧~鵡川間は、2018年9月に発生した北海道胆振東部地震で被災し、運休となっていましたが、11月19日に運転を再開しました。

被害の少ない鵡川~日高門別間は鉄道での復旧を模索

長期運休中の鵡川~様似間のうち、被害は日高門別~様似間に集中しています。

この区間の復旧をめぐり、沿線自治体は、鉄道での復旧や、DMVの導入、BRTへの転換など、複数の案を検討していました。DMVやBRTの案では、復旧費用が50億円~100億円と試算されていました。

www.kzlifelog.com

この試算や、復旧後のJR北海道の赤字補てんなども考慮し、今回、廃止・バス転換を容認するという結論に至ったものと思われます。

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一方、被害の少ない鵡川~日高門別間(20.8km)についてですが、JR北海道はこの区間でもバス転換を提案しています。今後も協議が続けられることになるのでしょう。一部の報道では、結論は来年に持ち越しとの話もあるようです。

JR北海道の資料によると、鵡川~日高門別間の駅間乗車人員(平成29年の特定日の調査)は以下のようになっています。

駅間 H29年度
代行バス
H26年度
被災前
鵡川~汐見 145 278
汐見~富川 142 272
富川~日高門別 126 253


沿線自治体が鵡川~日高門別間の鉄道での存続を求めている理由として、被害が軽微であることに加え、被災前の輸送密度が、JR北海道が廃止・バス転換の基準とした200人/日を上回っていることをあげています。

被災前の平成26年度の輸送密度は、確かに200人/日を上回っていますが、被災後の代行バスの輸送密度は150人/日以下に激減してしまっています。代行バスの利用者は、他に代替の交通手段を持たない高校生やお年寄りが多いと思われますが、そうだとすると、地元に密着した需要はこのくらいだということになります。

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また、鉄道での復旧を選択するとしたら、JR北海道は、沿線自治体の負担を要求するでしょう。「単独で維持困難な線区」のうち、輸送密度200人/日以上の線区については、鉄道での存続を目指すとしながらも、上下分離など、一定の負担を国や自治体に求めるとしています。当然、鵡川~日高門別間も同様の扱いになるはずです。

鵡川~日高門別間の沿線自治体は、むかわ町、日高町の2町です。この2町が、多少の負担をしてでも、鉄道での存続を望んでいるというのであれば交渉の余地はありそうですが、どうなるでしょうか?

廃止・バス転換要求の5線区のうち3線区で交渉が進展

JR北海道が公表している「単独で維持困難な線区」のうち、輸送密度200人/日以下の線区では、廃止・バス転換が適当とし、国の支援対象からも外されています。

これらの5線区の、JR北海道と沿線自治体の交渉状況は、以下のようになっています。

路線 線区 交渉状況
石勝線
夕張支線
新夕張~夕張 2019年3月末で廃止決定
札沼線 北海道医療大学
~新十津川
沿線4町が廃止容認を合意
日高本線 鵡川~様似 日高門別~様似の廃止容認を合意へ
鵡川~日高門別は鉄道存続を要望
留萠本線 深川~留萌 具体的な交渉の進展はなし
根室本線 富良野~新得 具体的な交渉の進展はなし


既に廃止・バス転換が決まっている夕張支線に加え、沿線4町が廃止容認を合意した札沼線の末端部分は廃止が濃厚です。一方、留萠本線、根室本線の2線区については、沿線自治体は鉄道存続を模索しているようですが、JR北海道との具体的な交渉が進展したというニュースはありません。

日高本線の(全区間ではないせよ)一部区間の廃止容認が、残りの2線区の交渉に影響を与える可能性もあります。今後の交渉の推移を見守っていきたいところです。


以上、「JR北海道の日高本線 日高門別~様似間の廃止を容認へ! 鵡川~日高門別間の行方は?」でお伝えしました。少しずつですが、JR北海道との交渉が進展している線区が出てきています。JR北海道自体の経営改革とともに、今後、どのように進んでいくのかが気になりますね。