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JR北海道が2019年10月に運賃値上げへ! 値上げ幅はどのくらいのなるのか?

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JR北海道の「単独で維持困難な線区」について話し合う6者会議が10月20日に開催され、JR北海道は、2019年10月にも運賃値上げを実施する意向を示したとのことです。40億円の増収となるように値上げするとのことです。将来の乗客減を招く恐れもある運賃値上げですが、JR北海道の経営改善につながるでしょうか?

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JR北海道は2019年10月にも値上げへ

報道によりますと、10月20日に開催された6者協議(JR北海道、国、道、道市長会、道町村会、JR貨物)の場で、JR北海道の島田社長は、2019年10月にも運賃値上げに踏み切る意向であることを表明しました。また、今後5年間の収支見通しを示したということです。

headlines.yahoo.co.jp

上記報道をまとめると、以下のようになります。

  • 2019年10月にも運賃値上げを実施
  • 増収額が40億円となるように値上げを実施
  • 国からの支援を毎年200億円と想定
  • 国からの支援対象となっていない輸送密度200人/日以下の5線区については、バス転換等の費用を5年間で300億円と想定(毎年均等配分)

運賃値上げ幅はどのくらいになるか?

JR北海道の経営状況を考えると、多少の運賃値上げはやむを得ないと考えられます。ただ、運賃値上げにより乗客が減り、減収となってしまっては意味がありません。そこで気になるのは、どのくらいの値上げ幅になるのかということです。

「増収額が40億円となるように値上げする」というところがヒントになりそうです。

JR北海道の決算によると、鉄道運輸収入は728億円(平成29年度)です。

単純に割り算すると、40億円の増収=5%の増収、ということになりますので、乗客数が変わらなければ、平均で5%の値上げということになります。

実際には、鉄道運輸収入の中には、運賃(乗車券)、料金(特急料金や指定席券等)、定期券など、さまざまな売り上げが含まれます。運賃だけで40億円の増収を実現しようとすると、5%の値上げでは不可能で、10%程度は必要になるのではないかと思います。

新幹線開業時に、並行在来線が第三セクター化されていますが、これらの路線の運賃は、JR時代の1.3~1.5倍になっているところが多いです。

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これに比べると、10%程度の値上げであれば、まだ影響は大きくなさそうにも思えます。ただし、高速バスとシェア争いをしている区間では、少しの値上げがシェア減少に結び付く可能性もあります。こういった区間では割引きっぷが発売されていますが、割引きっぷが値上げできないとなると、運賃の値上げ幅はもう少し大きくなる可能性もあります。

2019年10月には、消費税が8%から10%に上がります。そのタイミングで、運賃値上げ分+消費税率上げ分を合わせた運賃改定を実施するのではないかと思います。

前提条件は今後変わる可能性も

前提条件が今後変わっていくこともリスクの一つになりそうです。

まず、国からの支援を毎年200億円としていますが、現在決まっているのは、2020年度までの2年間で総額400億円というところだけです。2021年度以降は、2年間の経営改善の状況を見ながら、支援の内容を決めることになっています。

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そのため、2020年度までと同じ200億円の支援を受けられるとは限りません。さらに、直近の400億円の支援についても、国と自治体の負担割合は決まっていません。今のところ、国としては、半分の200億円を道などの自治体に負担してもらう意向のようですが、自治体がそこまで負担できるのかは不透明です。

さらに、支援対象から外れた5線区の廃止・バス転換の費用(バス運行の補助や、鉄道施設の撤去費用等)を、5年間で総額300億円としていますが、これも、今後の交渉次第で変わってくる可能性が高いです。これまでのところ、協議が終了してJR北海道の費用負担が明確になっているのは、夕張支線(2019年3月で廃止予定)だけです。

北海道の関与が感じられないのは懸念材料

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国からJR北海道への支援を巡っては、北海道の関与があまり感じられません。

JR北海道が表明した「単独で維持困難な線区」に対する「鉄道網(維持困難線区)のあり方」を北海道が主導してまとめたところまではよかったのですが、その後は沿線の自治体に協議を任せてしまっているように見えます。

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既に廃止・バス転換が決まっている夕張支線(新夕張~夕張)、沿線自治体が廃止容認を表明した札沼線(北海道医療大学~新十津川)のいずれも、JR北海道と沿線自治体(市や町)が直接協議しているようです。

上記の報道でも、

高橋はるみ知事は「われわれの負担できる規模に」と求め、JRに対しては「5年間に限られ、全体としての収支見通しが明らかになっていないのは残念。具体的な踏み込みが不十分」と指摘した。

(出典)来年10月に運賃値上げ JR北海道が経営改善策(十勝毎日新聞 電子版) - Yahoo!ニュース

という知事の発言を見る限り、あまり積極的に関与しているようには思えません。

本来は、廃止後の代替バスの運行費用の補助は、経営危機にあるJR北海道ではなく、北海道など自治体がすべきものであるはずです。北海道がまとめた「鉄道網(維持困難線区)のあり方」をベースに国の支援が決まった経緯を考えても、北海道がもう少し協議に関与すべきだと思います。

国の支援対象から外れてしまった5線区のうち、協議がほとんど進んでいない留萌本線(深川~留萌)、根室本線(富良野~新得)の今後がどうなるのか、それによっては、今回、JR北海道が試算した収支に影響がでるかもしれません。


以上、JR北海道が2019年10月に運賃値上げへ、という話題でした。利用者としては値上げは歓迎できないですが、人口減の時代に鉄道を維持するコストとしてはやむを得ない面もあります。10年、20年という単位での展望が示されれば、利用者の理解も得やすいと思いますが、そのためには、北海道の将来の交通体系がどうあるべきかという議論が不可欠ですね。