JR東日本が発行するクレジットカード「ビューカード」。そのポイント(JRE POINT)をためるとさまざまなプレゼントがもらえますが、乗り鉄として注目したいのは、指定席特急料金で、新幹線や特急列車のグリーン車に乗車できる「VIEWカード・グリーン車利用券」です。この記事では、「VIEWカード・グリーン車利用券」のおトクな使い方について解説します。
※2019.04.09更新(JRE POINTに対応)
「VIEWカード・グリーン車利用券」とは?
「VIEWカード・グリーン車利用券」は、JR東日本のポイント「JRE POINT」をためるともらえるプレゼントの一つです。
エキナカでの買い物などでもJRE POINTはたまりますが、多くのポイントをためるためには、JR東日本が発行するクレジットカード「ビューカード」を利用するのがおすすめですし、「VIEWカード・グリーン車利用券」はビューカード利用者限定のプレゼントになっています。
どうやってもらうの?
ビューカードを利用すると、以下の JRE POINT がたまります。
- 通常の利用(お買い物・お食事・公共料金の支払い等): 1,000円で5ポイント(5円相当)
- JR東日本での利用(きっぷ、定期券、回数券の購入、Suicaへのオートチャージ、JR東日本の国内ツアー購入等): 1,000円で15ポイント(15円相当)
このようにして JRE POINT をため、JRE POINTのWebサイトから手続きをすることで「VIEWカード・グリーン車利用券」をもらうことができます。
何ポイントでもらえるの?
「VIEWカード・グリーン車利用券」は、JRE POINT 2000ポイントで1枚もらうことができます。
ちなみに、JRE POINT 2000ポイントは、
- 通常の利用: ビューカードで40万円の利用で2000ポイントたまる
- JR東日本での利用: ビューカードで13万4千円の利用で2000ポイントたまる
となります。
かなりビューカードを利用しないといけないように思いますが、注目は「Suicaへのオートチャージ」です。ビューカードのポイントは、Suicaへのオートチャージでも、通常利用の3倍のポイント(1,000円で15ポイント)がもらえます。
Suicaにチャージさえしてしまえば、スーパーやコンビニ、自販機、本屋など、駅や街中のあらゆるところで利用できます。普段から、現金の代わりに、ビューカードでオートチャージしたSuicaを利用するようにすれば、あっという間にポイントが貯まりますよ。
「VIEWカード・グリーン車利用券」の効力と使い方
「VIEWカード・グリーン車利用券」の効力と使い方について解説します。
「VIEWカード・グリーン車利用券」の効力
「VIEWカード・グリーン車利用券」は、普通車指定席の特急料金で、JR東日本の新幹線・特急列車のグリーン車に乗車できる クーポン券です。
つまり、普通車指定席とグリーン席の差額分を、「VIEWカード・グリーン車利用券」が補てんしてくれるというわけです。
詳しくは、以下のような効力・制限があります。
- JR東日本エリア内の新幹線(東北・上越・山形・秋田・北陸新幹線)、特急列車、快速列車、普通列車のグリーン車を、普通車指定席の料金(乗車券+普通車指定席の料金券)で利用できる
- 北陸新幹線は東京~上越妙高間のみ利用可能、北海道新幹線は利用不可
- 「VIEWカード・グリーン車利用券」1枚につき、1列車に1回利用できる
- ただし、以下の場合は1列車1回の利用とカウントする
- JR東日本の新幹線を、改札を出ずに同一方向に乗り継ぐ場合(はやぶさとやまびこの乗り継ぎなど)
- 首都圏の普通列車グリーン車を連結している区間で、改札を出ずに同一方向に乗り継ぐ場合
- 以下の期間は利用できない
- 4月27日~5月6日、8月11日~20日、12月28日~1月6日
- 有効期限は6か月
「VIEWカード・グリーン車利用券」の使い方
「VIEWカード・グリーン車利用券」は、普通車指定席をグリーン席へアップグレードしてくれる券ですので、単体では使用できません。
具体的には、JR東日本の駅のみどりの窓口で、「VIEWカード・グリーン車利用券」を渡し、乗車券+指定席特急料金を支払うことで、乗車券+特急券+グリーン券を受け取る ことができます。
ちなみに、JR東日本のインターネット予約サービス「えきねっと」を利用する場合は、以下のようにします。
- えきねっとで、乗車したい新幹線や特急列車のグリーン席を予約
- えきねっとで予約したきっぷを受け取る際は、必ずJR東日本の駅の「みどりの窓口」へ行き、「VIEWカード・グリーン車利用券」と予約したクレジットカードを渡す
- 指定席券売機では「VIEWカード・グリーン車利用券」は利用できません
えきねっとでは、インターネットでの予約を進めると、最後に「購入」というステップがあるのですが、実際にはこの時点では決済されていません1。駅の窓口できっぷを受け取ったときに決済され、その金額は、乗車券+普通車指定席料金になります。
どこまで乗ればおトクなの?
「VIEWカード・グリーン車利用券」は、実際にはどれくらいおトクなのでしょうか?
ここから先はちょっとややこしいので、結論を先に書いてしまいます。
【結論】 JR東日本の新幹線・特急列車で、201キロ以上を乗車する場合に「VIEWカード・グリーン車利用券」を利用すると、おトクにグリーン車に乗車できます。
以下、その理由を説明します。興味がありましたらお付き合いください(笑)
電子マネーSuicaへのチャージとの比較
JRE POINT を利用して、Suica(電子マネー)に直接チャージができるのですが、そのレートは
- JRE POINT 1ポイントで、1円分のチャージ
となっています。
「VIEWカード・グリーン車利用券」は2,000ポイントでもらえますので、2,000円相当ということになります。
つまり、普通車指定席の料金とグリーン席の料金差が2,000円以上の区間に利用するのであれば、「VIEWカード・グリーン車利用券」はおトク と言えそうです。
何km乗ればおトクなの?
では、JR東日本のグリーン料金はどうなっているのでしょうか? JR東日本のWebサイトから抜粋してみます。
営業キロ | グリーン料金 | 普通車指定席特急料金と グリーン料金の差額 |
---|---|---|
~100キロ | 1,030円 | 510円(140円) |
101~200キロ | 2,060円 | 1,540円(1,170円) |
201~300キロ | 3,090円 | 2,570円(2,200円) |
301~700キロ | 4,110円 | 3,590円(3,220円) |
701キロ~ | 5,140円 | 4,620円(4,250円) |
※カッコ内は、東北新幹線~山形新幹線・秋田新幹線を直通(改札を出ないで乗り継ぐ場合含む)で利用した場合
(出典)グリーン券:JR東日本
グリーン料金は、上の表のようになっています。ただ、グリーン料金が2,000円を超えれば「VIEWカード・グリーン車利用券」を利用するのがおトクかというと、そう単純ではない点に注意が必要です。
なぜかというと、
- 「VIEWカード・グリーン車利用券」は、普通車指定席の特急料金 でグリーン席に乗車できる券
- ふつうにきっぷを購入する場合は、普通車自由席の特急料金2+グリーン料金 でグリーン席に乗車可能
となっているためです。
「VIEWカード・グリーン車利用券」を利用する際には、普通車指定席の特急料金を支払いますから、上の表の「普通車指定席特急料金とグリーン料金の差額」が、2,000円を超える区間で利用する場合に、「VIEWカード・グリーン車利用券」がおトクになる ということになります。
営業キロでみれば、201キロ以上の区間 ということになります。
結局、どこまで乗ればおトクなの?
営業キロで201キロ以上というのは、具体的にはどれくらいでしょうか?
東京駅を起点とすると、以下のようになります。
- 東北新幹線: 郡山以遠 新青森まで(北海道新幹線ではVIEWカード・グリーン車利用券 利用不可)
- 山形新幹線: 全線(東北新幹線との分岐駅の福島までで201キロを超えるため)
- 秋田新幹線: 全線(東北新幹線との分岐駅の盛岡までで201キロを超えるため)
- 上越新幹線: 浦佐以遠
- 北陸新幹線: 長野以遠 上越妙高まで(上越妙高から先はVIEWカード・グリーン車利用券 利用不可)
首都圏の普通列車に連結されているグリーン車なら「VIEWカード・普通列車グリーン車利用券」がおすすめ!
「VIEWカード・グリーン車利用券」は、快速列車や普通列車のグリーン車も利用できるので、首都圏の普通列車に連結されている2階建てのグリーン車(自由席)への乗車にも利用できます。
ただし、普通列車に連結されているグリーン車の料金は、最も高い平日・51キロ以上の利用でも980円ですので、実質2,000円相当の「VIEWカード・グリーン車利用券」を利用するのはもったいないです。
おすすめは、JRE POINTでもらえる「(JRE POINT用)Suicaグリーン券」 です。700ポイント(2019年6月末までは600ポイント)で1回分利用できます。
以下の記事に詳しく解説していますので、興味のある方はご覧ください。
以上、ビューカードのポイント(JRE POINT)でもらえる「ビューカード・グリーン車利用券」のおトクな使い方の紹介でした。グリーン料金の計算ルールがややこしいので難しく感じられたかもしれませんが、結論としては、201キロ以上を新幹線や特急列車で乗車する場合に、「VIEWカード・グリーン車利用券」でグリーン車を利用するとおトクになります。どこかへ遠出をするときに、「VIEWカード・グリーン車利用券」を利用して、グリーン車で優雅に移動してみてはいかがでしょうか?
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