JR東日本仙台支社は、来春(2020年春)、只見線の車両をキハE120形に置き換えることを発表しました。現在、只見線で運転されているキハ40系は年度内で見納めとなる模様です。新潟地区のキハ40系も電気式気動車GV-E400系への置き換えが進んでいますので、キハ40系は急速に数を減らしていく見込みです。
只見線の車両をキハE120形に置き換えへ
JR東日本仙台支社は、只見線の車両をキハE120形に置き換えることを発表しました。
概要は以下の通りです。
- 只見線の車両を、新潟地区で使用しているキハE120形(8両)に置き換え
- 2019年12月以降、順次デザイン変更を実施し、来春、只見線での営業運転を開始予定
デザインは以下のようなものになります。
(出典)只見線の運転再開に向けた取組みならびに車両の置換えについて(JR東日本仙台支社ニュースリリース 2019年11月28日 PDF)
新潟地区へのGV-E400系導入に伴い、キハE120形を只見線へ!
新潟地区(羽越本線、信越本線、米坂線、磐越西線)で運転されている気動車は、2019年8月から導入が始まっている電気式気動車「GV-E400系」への置き換えが進められています。
置き換え対象の気動車のうち、比較的新しいキハE120形を、只見線へ転属させるということのようです。
キハE120形は2ドアの気動車で、8両しか存在しません。ほぼ同じ仕様で3ドアの「キハE130形」は、水郡線、久留里線、八戸線などで運転されていますが、2ドアの「キハE120形」は新潟地区にしか存在しないのですね。現在は、主に米坂線などで運転されています。
キハE120形の車内の様子などについては、以下の米坂線の乗車記をご覧ください。
只見線 会津川口~只見間の運転再開はキハE120形で!
只見線は、2011年の豪雨被害の影響で、途中の会津川口~只見間(27.6km)で運転を見合わせています。
只見線の会津川口~只見間は、只見線の中でも閑散区間で、1日に3往復程度の列車しかありません。そのような事情もあり、JR東日本はバス転換を提案していましたが、福島県と沿線自治体が、復旧費用の3分の2を負担、復旧後は上下分離をし、同区間の設備は福島県等の自治体が管理することでJR東日本と合意、鉄道としての復旧が決まりました。
その経緯については、以下の記事をご覧ください。
その後、2018年6月に復旧工事が開始され、運転再開は2021年度を目指しています。
今回、仙台支社から発表されたニュースリリースでは、工事の進捗状況も記載されています。橋桁や橋脚が流失するなど、被害が大きかった、第5只見橋梁、第6只見橋梁、第7只見橋梁では、いずれも橋脚が完成、年度内には第5只見橋梁の橋桁の架設を、来年度には第6・第7只見橋梁の架設をすることなどが発表されています。
復旧工事開始前、2017年8月に只見線に乗車したときの乗車記を、以下のページで公開しています。
只見線の運休区間が復旧し、全線で運転再開されるときには、車両はキハE120形で、ということになりそうです。
キハ40系の味のある車両も良いですが、心機一転、新しい車両での全線運転再開を迎えるのも悪くなさそうです。
只見線のキハ40系も終焉間近! 乗り納めはお早めに!
只見線にキハE120形が導入されることで、現在、只見線で利用されている国鉄形気動車「キハ40系」が引退する見込みとなりました。
上記のニュースリリースでは、キハE120形を「来春」から只見線で運転開始すると書かれていますので、只見線のキハ40系は年度内で見納めということでしょう。
只見線では、キハ40系のうち、主にキハ40形とキハ48形の2種類が運転されています。キハ40形が両運転台(車両の両側に運転台があり1両で運行可能な車両)、キハ48形が片運転台(車両の片側にしか運転台がない車両)です。


只見側(小出~只見間)では、デッキ付きのキハ48形が運転されていました。客室とデッキの間に扉があり、ワンマン対応の運賃箱なども設置されていない車両です。
このような車両も、あと半年ほどで見納めということになりそうです。
「来春」というのがいつかはわかりませんが、徐々に置き換えが進むとすれば、例年、ダイヤ改正が実施される3月中旬頃には、すべてキハE120形に置き換わってしまうかもしれません。
只見線のキハ40形の乗り納めは、なるべく早めに、青春18きっぷ利用ならば、今冬が最後になるかもしれませんね。
JR東日本のキハ40系はあと1~2年で引退?
JR東日本のキハ40系は、電気式気動車「GV-E400系」の投入に伴い、急速に置き換えられていく見込みです。
GV-E400系の導入計画は、以下のようになっています。
- 2019年度: 新潟地区(羽越本線、信越本線、米坂線、磐越西線)
- 2020年度: 秋田地区(津軽線、五能線、奥羽本線)
新潟地区では、今年度内に置き換えが完了する予定で、前述の只見線へのキハE120形導入も合わせると、キハ40系は今年度内に引退する可能性が高そうです。
さらに、来年度(2020年度)には、秋田地区へのGV-E400系の投入が進められます。
現在、JR東日本で、キハ40系が運転されている路線で、上記のGV-E400系への置き換えが予定されていないのは、男鹿線のみです。
ところが、男鹿線には、蓄電池電車「EV-E801系」、通称「ACCUM」が投入されています。今後、さらに投入が続けば、キハ40系はあっという間に置き換えられてしまいそうです。
かつては、非電化のローカル線では、日本全国どこでも見られたキハ40系ですが、あと1~2年もすれば、JR東日本からは消えてしまいそうです。
以上、「只見線の車両をキハE120形に置き換えへ! キハ40系の乗り納めは2020年春までに!」でした。只見線の全線復旧を新しい車両で迎えるられるのは喜ばしいことですが、キハ40系が一気に引退してしまうのは、鉄道ファンとしては寂しいものがあります。乗り納めは早めに済ませましょう。
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