JR東日本高崎支社は、観光列車用の車両「リゾートやまどり」を利用したツアー専用の夜行列車を運転します。新宿発沼田行きで、沼田駅からは専用バスで、尾瀬の入り口の一つ「鳩待峠」へ向かいます。尾瀬への夜行列車といえば、東武鉄道の「尾瀬夜行23:55」が有名ですが、この「リゾートやまどり」を利用した尾瀬へのアクセス列車も定番化するでしょうか?
- 「リゾートやまどり」を利用した夜行列車を新宿→沼田で運転!
- グリーン車並みのゆったりした座席で夜行列車でも安心?
- 新宿から沼田まで6時間!?
- 東武の「尾瀬夜行23:55」とは入山口が異なる
- 観光列車を活用した夜行ツアー、今後も期待!
「リゾートやまどり」を利用した夜行列車を新宿→沼田で運転!
JR東日本高崎支社は、観光列車用の車両「リゾートやまどり」を利用した、ツアー専用の夜行列車を運転すると発表しました。
- 出発日:2019年5月24日(金)~25日(土)
- 行程:
- 新宿 23:00頃発 → 沼田 05:00頃着(リゾートやまどり)
- 沼田 05:00頃発 → 鳩待峠 08:00頃着(専用バス、道の駅「かたしな」で朝食)
- 08:00~14:00 尾瀬ハイキング(昼食付)
- 鳩町峠 14:00頃発 → 上毛高原駅 (専用バス、老神温泉で日帰り入浴)
- 上毛高原 17:30~19:00頃発 → 東京 18:30~20:00頃着
詳しくは、JR東日本高崎支社のニュースリリースをご覧ください。
尾瀬への日帰りハイキングのツアーです。往路は「リゾートやまどり」利用の夜行列車、復路は上毛高原から上越新幹線の利用になります。
尾瀬の滞在時間は約6時間。昼食時間もあるので、散策に利用できる時間は約5時間です。鳩待峠から5時間もあれば、尾瀬ヶ原の半分くらいは散策できるでしょう。
グリーン車並みのゆったりした座席で夜行列車でも安心?
このツアーで利用される「リゾートやまどり」という車両は、JR東日本高崎支社が保有する観光列車用の車両です。
485系という特急形の車両を改造したもので、ふだんは吾妻線や上越線の観光列車として利用されています。
「リゾートやまどり」の特徴は、上の写真のとおり、とてもゆったりとした座席です。1+2列の配置で、通常の特急列車であればグリーン車レベルの座席です。
寝台ではなく座席での夜行列車となると、なかなか寝付けなかったり、疲れが溜まったりすることが多いですが、「リゾートやまどり」の座席であれば、比較的ゆっくりと休むことができるのではないかと思います。
「リゾートやまどり」の設備については、以下の記事でも紹介しています。
新宿から沼田まで6時間!?
今回のツアーの行程では、新宿を23時頃に出発し、沼田には午前5時頃に到着するので、6時間もかかることになっています。ところが、日中時間帯に、高崎線と上越線を乗り継いで新宿から沼田まで普通列車で移動しても、3時間くらいしかかかりません。
新宿~沼田間は、夜行列車としては距離が短すぎます。そのため、どこか途中駅で、あるいは、沼田に到着してから、専用バスが出発する午前5時まで、睡眠時間を確保するために停車するのでしょう。おそらく3時間以上は停車するのではないかと思います。
東武の「尾瀬夜行23:55」とは入山口が異なる
尾瀬へのツアーをセットにした夜行列車といえば、東武鉄道が初夏~秋に毎年運転している「尾瀬夜行23:55」が思い浮かびます。列車名のとおり、浅草駅を23:55に出発、翌朝に会津鉄道の会津高原尾瀬口駅に到着し、専用バスで尾瀬へとアクセスします。
「尾瀬夜行23:55」は以下の記事で紹介しています。(2018年の情報です)
同じ尾瀬へのアクセス列車ですが、尾瀬への入山口が異なります。
今回の「リゾートやまどり」で運転される夜行ツアーでは、群馬県の鳩待峠から尾瀬へ入ります。鳩待峠からは、尾瀬ヶ原まで1時間程度で到着しますので、尾瀬ヶ原散策には最も便利な入山口です。首都圏からも近いので、最も人気のある入山口になっています。
一方、東武鉄道「尾瀬夜行23:55」では、会津高原尾瀬口駅から、福島県南会津郡にある沼山峠へとアクセスします。こちらは、尾瀬沼や燧ケ岳に近いです。「リゾートやまどり」のツアーとは、尾瀬沼や尾瀬ヶ原を挟んで反対側です。
同じ尾瀬への夜行列車を利用したツアーですが、尾瀬への入山口が異なるので、使い分けられそうですね。といっても、「リゾートやまどり」のツアーは今回限りなのですが。
観光列車を活用した夜行ツアー、今後も期待!
定期列車としての夜行列車は風前の灯ですが、特急車両を利用した夜行列車利用のツアーは、各社から定期的に発売されています。
関東地方では、西武鉄道の秩父・三峯神社での星空観賞&雲海を見るツアーが毎年開催されています。
また、東武鉄道でも、定期的に運転されている「尾瀬夜行23:55」「スノーパル23:55」以外にも、紅葉の時期に、日光に早朝到着する「日光夜行号」が運転されています。
JRでも、今回のように観光列車の車両を利用した夜行列車を、ツアー専用でもいいので走らせてくれると嬉しいですね。「リゾートやまどり」もそうですが、最近の観光列車用の車両は、特急列車の普通車よりもゆったりとした座席のものが多いので、夜行列車でも快適に過ごせそうですし。
以上、『JR東日本「リゾートやまどり」を利用した夜行列車を運転! 尾瀬への日帰りハイキングツアー専用列車!』でお届けしました。なかなか魅力的な夜行列車を利用したツアーですので、定期的に実施されるようになるといいなと思います。