JR東日本は、Suicaでの鉄道乗車、Suicaグリーン券購入、モバイルSuica定期券購入で、JRE POINTを付与するサービスを2019年10月に開始します。ICカードのSuicaの還元率が0.5%なのに対して、モバイルSuicaはなんと2%! なかなか広まらないモバイルSuicaの普及に本気を出してきたかもしれません。
Suicaでの鉄道乗車、グリーン券購入、定期券購入で JRE POINT を付与へ
JR東日本は、2019年10月から、Suicaでの鉄道乗車、Suicaグリーン券購入、モバイルSuica定期券購入で、JRE POINT を付与するサービスを開始します。
2019年10月から開始されるサービスの概要(ポイント付与率)は以下の通りです。
ICカード | モバイルSuica | 備考 | |
---|---|---|---|
Suica残高での 鉄道乗車 | 0.5% | 2.0% | ※1 |
Suicaグリーン券 の購入 | 0.5% | 2.0% | |
モバイルSuica 定期券の購入 | - | 2.0% | ※2 |
※1: 対象はJR東日本在来線のSuicaエリア、他社線の運賃分は対象外
※2: 10月1日以降使用開始の定期券が対象、他社線部分も含めて全額がポイント付与対象
本業の鉄道利用でポイント付与へ!
これまでも、JR東日本は JRE POINT を展開していましたが、主に同社のクレジットカード(ビューカード)利用や、駅ナカでのお買い物がポイント付与の対象でした。
ビューカード利用でのきっぷ購入やSuicaでのチャージでポイント付与率を1.5%に高めるなど、鉄道利用を優遇してはいましたが、あくまでクレジットカードのポイントという扱いでした。
今回のサービスは、Suicaで鉄道を利用することで、直接 JRE POINT が付与される点が大きな特徴です。ようやく、JR東日本の本業である鉄道利用でポイントが溜まるようになりました。
モバイルSuicaを優遇! モバイルSuica定期券購入で2%還元は衝撃的!
今回のサービスの大きな特徴は、モバイルSuicaをかなり優遇しているところにあります。
ICカードのポイント付与率は0.5%なのに対して、モバイルSuicaは2%。実に4倍ものポイントがたまります。
さらに、定期券購入でポイントが付与されるのは、モバイルSuica定期券のみです。
Suica定期券は、指定席券売機や多機能券売機で購入することもできますが、おそらくみどりの窓口で購入する方が多いのでしょう。3月下旬や9月下旬の窓口の混雑を見ているとよくわかります。
モバイルSuica定期券は、モバイルSuicaの操作のみで購入が完了するため、みどりの窓口の混雑緩和や人件費削減に直結しますので、JR東日本としても、利用を促進したいということでしょう。
それにしても、高額になりがちな定期券の購入で、ポイントを2%も付与してしまうのは、かなり衝撃的です。しかも、JR東日本区間が含まれれば、私鉄や地下鉄の区間も含めて、全額がポイント付与対象になるという太っ腹ぶり。それだけ、窓口業務の重荷になっているということでしょうね。
10万円の定期券を購入すると、2000ポイントもJRE POINTが付与されます。そのままSuicaにチャージすれば2000円分利用できるため、これはかなり大きいのではないでしょうか。
利用するには JRE POINT サイトにSuicaを登録しよう!
鉄道乗車や、Suicaグリーン券の購入などで JRE POINT を付与してもらうためには、JRE POINT のWebサイトでSuicaを登録しておく必要があります。
JRE POINT の会員登録が必要になりますが、既に会員の方は、改めての会員登録は不要です。
重要なのは、鉄道の乗車や、Suicaグリーン券を購入するのに利用するICカードのSuicaやモバイルSuicaを、JRE POINT のサイトで登録しておくこと です。
Suicaを登録する際には、
- ICカードのSuicaの場合には、Suicaカードの裏面に記載されているSuicaID(17桁)
- モバイルSuicaの場合には、モバイルSuicaに登録しているメールアドレス、パスワード、氏名
- モバイルSuica(Apple Pay)の場合には Suica識別ID
を入力する必要があります。必要な情報を手元に用意しておきましょう。
JRE POINT サイトでのSuicaの登録を忘れると、せっかくのポイントが付与されませんので、気をつけましょう。
将来の JRE POINT サービス拡充も魅力的!
JRE POINTのサービスは、今回始まる上記の3つにとどまりません。JR東日本のニュースリリースによると、今後も続々と新たなサービスが開始されるようです。
「タッチでGO!新幹線」「えきねっと」もポイント付与対象へ
2020年春以降には「タッチでGo!新幹線」の利用でも、JRE POINT がたまるようになります。ポイント付与率は、ICカードで0.5%、モバイルSuicaで2%となる予定です。
ちなみに、「タッチでGo!新幹線」は、首都圏の新幹線の自由席に乗車する際に、Suicaをタッチすればそのまま新幹線の改札口を通って新幹線に乗車できるサービスで、2018年4月に開始されています。
また、新幹線や特急列車に割引料金で乗車できる事前割引購入サービス「えきねっと」でも、20201年以降に JRE POINT が付与されるようになります。
現在は、「えきねっとポイント」という別のポイントが付与されます。今でもえきねっとポイントを JRE POINT に交換することができますが、2021年春以降に JRE POINT に統合されるとのことです。
回数券廃止の布石? 同一区間の複数回利用で乗車1回分のポイント付与へ
さらに面白いサービスが、回数券のように、同一区間を複数回利用すると、乗車1回分のポイントを付与するサービスです。詳細は検討中とのことですが、2020年12月以降の導入を予定でしています。
現在の回数券と同様のサービスを、Suicaで実現しようということでしょう。
これを実現するためには、SuicaのICチップ内か、Suicaのセンター側で、どの区間に何回乗車したかを記録しておく必要があります。ここまでできるようになると、回数券のサービスだけでなく、いろいろなサービスに応用できそうですね。
航空機と同レベルのサービスも?「新幹線座席のアップグレード」「特典チケット」
JRE POINTを利用するほうでは、現在、航空機で実施されているアップグレードや特典チケットのサービスが実現されそうです。
JRE POINT を利用して、JR東日本の新幹線の座席をアップグレードできるサービスは、2021年春以降に導入を検討しているとのこと。詳細は記載されていませんが、おそらく、JRE POINT を利用して、
- 普通車指定席 → グリーン席
- グリーン席 → グランクラス
というアップグレードができるようになるのでしょう。これは、鉄道利用者にとって、とてもうれしいポイントの使い道ですね。
これまでも「VIEWカード・グリーン車利用券」という、普通車指定席の料金でグリーン車に乗車できる特典商品(紙のクーポン券)があったのですが、みどりの窓口にクーポン券を持参する必要がありました。これが「えきねっと」ですべて済むようになると、かなり便利になりますね。
また、新幹線や在来線特急列車に乗車できる「特典チケット」との交換サービスも、2021年春以降に開始されるようです。
モバイルSuicaを利用しよう!
これを機に、モバイルSuicaを利用できる環境にある方は、ぜひモバイルSuicaを利用してみましょう。
筆者はもう何年も利用していますが、
- 通勤定期券の購入はモバイルSuicaのアプリ内であっという間に完了
- 普通列車グリーン車に乗車するときのグリーン券購入もスマホ操作のみでOK!
- VIEWカードと組み合わせたSuicaのオートチャージで還元率1.5%! チャージ残高が不足した時も、スマホ操作で簡単にチャージ可能!
と、多くのメリットがあります。
今回の JRE POINT サービスの拡充で、モバイルSuicaの優遇が明確になりましたので、モバイルSuicaに乗り換えるには良いタイミングです。
以上、『ついにモバイルSuicaの普及に本気! Suicaでの鉄道乗車、グリーン券購入、定期購入で JRE POINT 2%還元!』でした。いよいよ鉄道の利用でポイントがたまるようになります。モバイルSuicaがかなり優遇されているため、これを機にモバイルSuicaを始めてみることをおすすめします。
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