東日本大震災の津波と原発事故で大きな被害が出てしまった福島県の浜通り。津波の被害を受けた区間は、現在ではすべて復旧されて運転が再開されていますが、原発事故の影響が残る富岡~浪江間は、2019年現在も不通となったままです。
とはいえ、一時期よりは代行バスも増え、時間はかかるものの、不通区間を挟んだ南北の移動もできるようになってきました。この記事では、常磐線の上野~仙台間の普通列車(代行バス)の乗り継ぎダイヤをご紹介します。
福島の復興応援もかねて、青春18きっぷの旅をしてみてはいかがでしょうか?
※2019.06.18更新
2019年度末には全線で運転再開へ!
2011年の東日本大震災で大きな被害を受けてしまった常磐線ですが、少しずつですが、復旧工事が進み、運転が再開される区間が増えてきています。
これまでの常磐線復旧の足跡を振り返ってみると、
- 2011年10月: 久ノ浜~広野間 運転再開
- 2011年12月: 原ノ町~相馬間 運転再開
- 2014年6月: 広野~竜田間 運転再開
- 2016年7月: 小高~原ノ町間 運転再開
- 2016年12月: 相馬~浜吉田間 運転再開
- 2017年4月: 浪江~小高間 運転再開
となっており、2019年6月現在、不通となっているのは、帰還困難区域を含む富岡~浪江間のみとなっています。
この中で、最も大きな復旧工事となったのは、2016年12月に復旧した相馬~浜吉田間です。
この区間、かつては太平洋の海岸線のすぐ近くに線路が敷かれていたのですが、東日本大震災の大津波により壊滅的な被害を受けてしまいました。
その後、かつての線路よりもおよそ1kmほど内陸側に高架の線路を新たに敷設することで復旧したのです。
相馬~浜吉田間の復旧後の様子については、以下の乗車記で詳しく紹介しています。
その後も、避難指示が徐々に解除されるのに伴って、運転再開される区間が増えていきました。
そして、現在、不通となっている富岡~浪江間も、2019年度末(2020年3月)までの運転再開を目指して、復旧工事が進められています。
常磐線 上野~仙台 普通列車乗り継ぎダイヤ
常磐線の全線復旧まではあとわずかですが、それを待たずとも、代行バスを活用すれば、常磐線を南北に移動することは可能です。
以下では、2019年6月現在の上野~仙台の乗り継ぎダイヤを紹介します。
代行バスは普通列車扱いのため、青春18きっぷでも乗車できます。ぜひ、福島の復興応援の意味も込めて、常磐線の旅をしてみてください。
常磐線 下り(上野→仙台)
1便 | 3便 | 5便 | 7便 | 9便 | 11便 | |
---|---|---|---|---|---|---|
上野 ↓ 水戸 |
05:10 ↓ 06:58 |
06:04 ↓ 08:00 |
12:12 ↓ 14:24 |
12:52 ↓ 14:57 |
15:12 ↓ 17:20 |
|
水戸 ↓ いわき |
07:18 ↓ 08:48 |
08:18 ↓ 09:50 |
14:32 ↓ 16:01 |
15:38 ↓ 17:08 |
17:35 ↓ 19:10 |
|
いわき ↓ 富岡 |
06:12 ↓ 06:49 |
09:22 ↓ 10:00 |
10:27 ↓ 11:09 |
16:13 ↓ 16:54 |
↓ ↓ 18:03 |
19:25 ↓ 20:04 |
富岡 ↓ 浪江 |
06:55 ↓ 07:25 |
10:25 ↓ 10:55 |
11:40 ↓ 12:10 |
16:59 ↓ 17:29 |
18:20 ↓ 18:50 |
20:20 ↓ 20:50 |
浪江 ↓ 原ノ町 |
07:30 ↓ 07:49 |
↓ ↓ 11:35 |
12:20 ↓ 12:40 |
17:34 ↓ 17:53 |
19:10 ↓ 19:30 |
21:10 ↓ 21:30 |
原ノ町 ↓ 仙台 |
08:04 ↓ 09:22 |
11:50 ↓ 13:10 |
12:54 ↓ 14:18 |
17:55 ↓ 19:26 |
19:53 ↓ 21:12 |
↓ ↓ 22:58 |
※2019年3月改正平日ダイヤ,太字は代行バス,細字はすべて普通列車
常磐線 上り(仙台→上野)
2便 | 4便 | 6便 | 8便 | 10便 | |
---|---|---|---|---|---|
仙台 ↓ 原ノ町 |
05:30 ↓ 06:48 |
08:13 ↓ 09:36 |
14:36 ↓ 15:58 |
15:20 ↓ 16:40 |
16:55 ↓ 18:20 |
原ノ町 ↓ 浪江 |
07:06 ↓ 07:24 |
09:52 ↓ 10:11 |
16:04 ↓ 16:23 |
16:55 ↓ 17:14 |
18:33 ↓ 18:52 |
浪江 ↓ 富岡 |
07:40 ↓ 08:10 |
10:30 ↓ 11:00 |
16:28 ↓ 16:58 |
17:30 ↓ 18:00 |
19:14 ↓ 19:45 |
富岡 ↓ いわき |
08:31 ↓ 09:09 |
11:28 ↓ 12:10 |
17:04 ↓ 17:46 |
18:19 ↓ 18:59 |
20:09 ↓ 20:48 |
いわき ↓ 水戸 |
09:12 ↓ 10:49 |
12:48 ↓ 14:17 |
17:55 ↓ 19:35 |
19:08 ↓ 20:44 |
20:52 ↓ 22:23 |
水戸 ↓ 上野 |
11:00 ↓ 13:02 |
14:31 ↓ 16:29 |
19:40 ↓ 21:43 |
21:00 ↓ 22:53 |
22:40 ↓ 00:36 ※1 |
※2019年3月改正平日ダイヤ,太字は代行バス,細字はすべて普通列車
※1 我孫子で快速に乗り換え
代行バスの下り早朝の1便を除いて、すべて上野から仙台までつながるダイヤが組まれています。普通列車と代行バスで乗り継ぐと、上野~仙台の全線で7~8時間を要しますが、1日5往復もの乗り継ぎが組めますので、現実的に使えるダイヤになっています。
いわきの乗り継ぎがよくないのは、特急に合わせたダイヤになっているからです。上野~いわきで特急を利用すると、所要時間は6時間程度になります。
- (品川 06:45発 → )上野 07:00発 → いわき 09:18着 (特急ひたち1号)
- いわき 09:22発 → 富岡 10:00着(普通列車)
- 富岡 10:25発 → 原ノ町 11:35着(代行バス3便)
- 原ノ町 11:50発 → 仙台 13:10着(普通列車)
上野を朝7時に出る特急ひたち1号に乗れば、仙台には13:10に到着します。所要時間は6時間10分です。
なお、11便(5.5往復)ある代行バスの運転間隔は均等ではありません。上り・下りともに日中時間帯は5~6時間も間が空くことがあります。
本記事でダイヤを確認して、あらかじめ乗り継ぎの計画を立てておくことをおすすめします。
復興の応援を兼ねての常磐線の旅はいかがでしょう?
筆者は、東日本大震災後、2017年1月と2019年1月に常磐線全線を乗りとおしました。この2年間で、復旧・復興が進んだところと、そうでないところがあります。
そして、2020年3月までには、全線での復旧、運転再開が予定されています。全線で運転再開されてから訪問してもよいですが、今の福島の復興と常磐線の復旧の様子を見ながら、復興応援の旅に出てみても良いのではないでしょうか。
以上、「常磐線 上野~仙台 乗り継ぎ時刻表! 代行バス区間を含む青春18きっぷでの乗り継ぎダイヤを紹介します!(2019年版)」でした。2019年夏の青春18きっぷシーズンに、常磐線を乗りとおしてみてはいかがでしょうか。
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