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JR東日本が羽田空港アクセス線の具体的な計画を発表! 羽田空港へのダイレクトアクセス実現も、北海道新幹線への影響は?

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JR東日本がグループ経営ビジョン「変革2027」を発表しました。注目は何と言っても「羽田空港アクセス線」が経営ビジョンに掲載されたことでしょう。北陸新幹線延伸開業後、目立った新線開業の予定がなかったJR東日本ですが、2028年頃の開業に向けていよいよ動き出しそうです。

羽田空港アクセス線とは?

現在、羽田空港へは、浜松町~羽田空港を結ぶ「東京モノレール」(東京モノレール株式会社:JR東日本の子会社)と、京急蒲田~羽田空港を結ぶ京急空港線(京浜急行株式会社)の2路線があります。いずれもJR線からのアクセスの場合には、浜松町や品川で乗り換えが必要です。

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東山手ルートでは常磐線からの直通もあるかも?

これに対して、JR東日本が計画している「羽田空港アクセス線」は、以下の3ルートから羽田空港を結ぶ鉄道路線です。

ルート 想定される路線 所要時間例
西山手ルート りんかい線
~新線経由
新宿から23分
(従来は43~48分)
東山手ルート 東海道本線~新線経由 東京から18分
(従来は28~33分)
臨海部ルート りんかい線~新線経由 新木場から20分
(従来は41分)

(出典)グループ経営ビジョン「変革 2027」について(PDF 13MB ファイルサイズが大きいので注意)

新たに建設される新線は、3ルートが交わる東京貨物ターミナルから羽田空港新駅までの路線(約6km)と、東京貨物ターミナルと既存の路線をつなぐ以下の短絡線や連絡線です。

  • 西山手ルート: 東京貨物ターミナル~りんかい線(大井町-品川シーサイド付近)をつなぐ短絡線
  • 東山手ルート: 大汐線(休止中)~田町駅付近をつなぐ短絡線
  • 臨海部ルート: 東京貨物ターミナル~りんかい線(東京テレポート付近)の回送線を複線化

JR東日本の深沢社長は、記者会見で、10年後の開業を目指し、今年度中に環境アセスメント(環境影響評価)を開始、環境アセスメントに3年、工事に7年を計画していることを明らかにしました。

www.sankei.com

構想自体は2016年に発表されていた「羽田空港アクセス線」ですが、具体的なスケジュールが発表されたことで、いよいよ動き出しそうです。

最もメリットがありそうな西山手ルート

今回、3ルートを整備するわけですが、もっとも効果が高そうなのは「西山手ルート」でしょう。

JR東日本の「変革2027」でも明記されているように、新宿~羽田空港の所要時間は、現在の東京モノレールや京急空港線経由のルートに比べると、20分以上も短縮されます。

所要時間の短縮に加えて、乗り換えが減るメリットもあります。池袋、新宿、渋谷といった山手線の西側のターミナル駅からは、各駅停車の山手線で品川や浜松町に行くか、埼京線・湘南新宿ラインを大崎で下車、それから山手線で品川まで出るしかありませんでした。乗り換えが多く、所要時間以上に心理的なハードルが高いのです。

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湘南新宿ラインが乗り入れればグリーン車での空港アクセスも可能?

羽田空港アクセス線の西山手ルートが完成すれば、池袋、新宿、渋谷からは乗換なしとなります。さらに、羽田空港へのアクセス列車が埼京線や湘南新宿ラインを走るのであれば、赤羽や浦和、大宮からも乗換なしとなります。

これが実現すれば、京浜急行やリムジンバスから多くの乗客を奪うことができそうです。

新幹線への影響は?

一方で、羽田空港へのアクセスが良くなるということは、航空機を使いやすくなるということ。羽田空港へのアクセスでは大幅にシェアを奪うことができそうですが、同社の新幹線への影響はないのでしょうか?

実際、JR東日本は、東北新幹線の新青森開業で羽田~青森便から、山形新幹線の開業で羽田~山形便から、秋田新幹線の開業で羽田~秋田便から、大幅にシェアを奪ってきました。現在では、首都圏~東北地方は、ほとんどのエリアで新幹線のシェアが航空機を上回っています。

実際のところ、所要時間で見れば、JR東日本エリア内の新幹線への影響は少ないでしょう。

最も拮抗している東京~秋田では、JRが58%、航空機が42%です。東京駅~秋田駅で見ると、秋田新幹線が最速3時間37分、航空機が空港へのアクセスを含めて2時間40分くらいです。羽田空港アクセス線により、東京~羽田空港の所要時間は10~15分程度短縮される見込みですが、シェアが大きく変動するレベルではないでしょう。

北海道新幹線には影響あり?

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航空機に対してシェアで大きく劣っているのが北海道新幹線です。東京駅~函館駅で見ると、北海道新幹線は4時間半、航空機は2時間40分です。北海道新幹線は、新函館北斗が終点で、函館へは在来線に乗り換える必要があります。その点も含めて、かなり不利な状況です。

それでも、埼玉県や栃木県など、羽田空港から遠い北関東エリアでは、北海道新幹線のほうが有利になってきます。実際、2018年6月から臨時列車として運転が始まった大宮始発新函館北斗行きの臨時「はやぶさ101号」は人気です。

www.kzlifelog.com

羽田空港アクセス線が開業するとどうなるでしょうか?

「東山手ルート」は、東海道本線とつながりますので、現在の上野東京ラインの列車の一部が羽田空港行きになることが想定されます。そうなると、大宮から羽田空港まで乗り換えなしで約50分となります。

所要時間もですが、乗り換えなしで空港まで行けるなら飛行機にしよう、と考える方も増えるかもしれません。首都圏~函館、そして、2030年度に予定されている札幌延伸でも、北海道新幹線のシェアに多少なりとも影響を与えそうです。


以上、羽田空港アクセス線構想が動き出しそうという話題でした。なんとなく不便だった羽田空港へのアクセスが改善されるのはありがたいことですが、新幹線vs航空機というシェア争いで見ると、また違う見方ができそうですね。