JR東日本は、2019年春のダイヤ改正で、中央線を走る「中央ライナー」「青梅ライナー」を廃止・特急化、総武快速線を走る「ホームライナー千葉」を廃止すると発表しました。ここ数年で次々と姿を消す首都圏の通勤ライナー。今後の着席サービスは、特急列車や普通列車グリーン車が担うのでしょうか。
2019年ダイヤ改正で「中央ライナー」「青梅ライナー」「ホームライナー千葉」が一気に廃止へ!
JR東日本は、2019年春のダイヤ改正で、中央線・青梅線の通勤ライナー「中央ライナー」「青梅ライナー」を廃止、特急化するとともに、総武快速線の「ホームライナー千葉」を廃止すると発表しました。
これで、定期券+ライナー券(510円)で乗車できる首都圏の通勤ライナーは、東海道線を走る「おはようライナー新宿」「ホームライナー小田原」「湘南ライナー」のみとなります。
「中央ライナー」「青梅ライナー」は特急「はちおうじ」「おうめ」に格上げ
中央線を走る「中央ライナー」「青梅ライナー」は、それぞれ、特急「はちおうじ」「おうめ」に格上げされます。ライナー券は510円でしたが、特急料金は650円または900円(えきねっとチケットレス割引適用時)となり、値上げとなります。
区間 | 新設特急 | 現行ライナー |
---|---|---|
東京・新宿~八王子 | 650円 | 510円 |
東京~青梅 | 900円 | 510円 |
新宿~青梅 | 650円 | 510円 |
中央線では、全ての特急列車に定期券で乗車できるルールとなっていますので、特急「かいじ」(現行の自由席特急料金510円)なども通勤や帰宅に利用されていますが、「新たな着席サービス」導入に伴って、特急料金は上記のとおりとなります。
詳しくは、2019年のダイヤ改正のポイントをまとめた記事をご覧ください。
中央線への「新たな着席サービス」の導入については、以下の記事もご覧ください。
「ホームライナー千葉」は廃止、普通列車を3本増発
総武快速線の「ホームライナー千葉」(東京・新宿~千葉)は、現行の平日夜間の下り5本が全て廃止されます。
一方、平日の帰宅時間帯に、総武快速線の普通列車が増発・区間延長されます。
- 東京発千葉行きを3本増発
- 津田沼行き2本を千葉行きに区間延長
このため、帰宅時間帯の輸送力自体は増えそうですが、「ホームライナー千葉」の代替列車は設定されないため、着席サービスの観点ではサービスダウンとなってしまいます。
首都圏の着席サービスは普通列車グリーン車と特急列車へ
ここ数年、首都圏の通勤ライナーはどんどん姿を消しています。
列車名 | 路線 | 廃止 | 代替列車 |
---|---|---|---|
ホームライナー古河 | 宇都宮線 | 2014年3月 | なし |
ホームライナー鴻巣 | 高崎線 | 2014年3月 | 特急スワローあかぎ |
おはようライナー逗子 ホームライナー逗子 | 横須賀線 | 2015年3月 | なし |
中央ライナー 青梅ライナー | 中央線 青梅線 | 2019年3月 | 特急はちおうじ 特急おうめ |
ホームライナー千葉 | 総武快速線 | 2019年3月 | なし |
代替列車が設定されていない路線では、たいてい、普通列車にグリーン車が連結されています。「ホームライナー千葉」が走る総武快速線の普通列車にもグリーン車が連結されています。
普通列車のグリーン車は全列車に設定されていますので、乗車機会が多く、通勤ライナーが廃止されても、着席サービスへの影響は軽微と判断されたのでしょう。
一方、中央線には現在グリーン車が連結されていません。2023年にはグリーン車の連結が開始される予定ですが、それまでの間は、特急「はちおうじ」「おうめ」が、着席サービスを提供するということになるのでしょう。
「湘南ライナー」など東海道線の通勤ライナーの行方は?
前述の通り、JR東日本は、首都圏の通勤ライナーを廃止し、着席サービスを、普通列車グリーン車と特急列車に移行する方針のように思えます。
そうなると、東海道線を走る「湘南ライナー」などの通勤ライナーも、いずれは廃止または特急化が実施される可能性がありそうです。
直近では、特急「踊り子」の185系を、中央線の「あずさ」などで活躍していたE257系に置き換えることが発表されています。この置き換えのタイミングで、「湘南ライナー」などの通勤ライナーにも、何らかの動きがあるかもしれませんね。現在、かなりの本数が運転されていますので、何らかの変更があるとしたら、単純な廃止ではなく、特急化のほうが可能性が高そうに思いますが、どうなるでしょうか?
特急化されると青春18きっぷでは利用できなくなる!
「中央ライナー」「青梅ライナー」などの通勤ライナーは、青春18きっぷ+ライナー券(510円)で利用することができました。
ところが、特急化されてしまうと、当然のことながら青春18きっぷでは利用できなくなってしまいます。中央線・青梅線に誕生する特急「はちおうじ」「おうめ」も同様です。
通勤・帰宅時間帯のみ、それも限られた範囲での運転ですので、それほど影響は大きくないかもしれませんが、青春18きっぷで乗車できる列車が減ってしまうことには変わりはありません。
以上、2019年春のJRダイヤ改正で、「中央ライナー・青梅ライナーは特急化、ホームライナー千葉は廃止! 首都圏の通勤ライナーは一気に衰退へ!」でした。大手私鉄各社では有料着席サービスが続々と導入されていますが、JR東日本は同様のサービスをグリーン車と一部の特急列車に集約する方向のようです。
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