JR東日本が、2017年度の設備投資計画を発表しました。乗り鉄・汽車旅派にとって気になるのは、小海線の観光列車「HIGH RAIL 1375」、新潟地区への新型電気式気動車の投入、常磐線の竜田~富岡の復旧でしょうか。
JR東日本の2017年度設備投資計画
4月28日にJR東日本が2017年度の設備投資計画を発表しました。
2017年度設備投資計画について(JR東日本プレスリリース 2017年4月28日)
既に何らかの形でアナウンスがあったものが多いですが、以下に、乗り鉄的に気になる点をまとめてみました。
小海線の新たな観光列車「HIGH RAIL 1375」の運行を開始
2016年の11月に、小海線に「のってたのしい列車」が投入されることが発表され、2017年2月には名称が「HIGH RAIL 1375」となること、コンセプトが「天空にいちばん近い列車」となることや、車両デザインなどが発表されました。
この経緯や、列車内の設備やサービス、ダイヤなどを勝手に想像してみた記事を以前投稿しました。
ということで、今回の設備投資計画では新たな情報はないわけですが、今夏に運行開始なので、そろそろ詳細が発表されるのではないかと思っています。
小淵沢~清里~野辺山は観光路線といってもよい小海線ですが、これまで小海線を定期的に走る観光列車はなかったため、「HIGH RAIL 1375」には期待したいと思います。上記の過去記事にも書きましたが、小淵沢~野辺山だけでなく、野辺山以北へも観光客を誘導して、北陸新幹線の佐久平を経由する周遊ルート(新宿→中央本線→小海線→北陸新幹線→東京)を形成する観光列車に仕立て上げたいのではないかと考えています。
新潟地区への新型電気式気動車の投入
こちらも、2015年5月に、新潟・秋田地区への新型電気式気動車の投入が発表されていますので、既報ということになります。
新潟・秋田地区への新型電気式気動車の投入について(JR東日本ニュースリリース 2015年5月19日)
既存の気動車は、ディーゼルエンジンの動力をトルクコンバータと減速機で伝達する仕組みですが、電気式気動車では、ディーゼルエンジンで発電をしたうえで、電車と同じ仕組みでモーターを回して走る点が異なります。
新型電気式気動車を導入すると発表されている線区は以下の通りです。
- 羽越本線(新津~酒田)
- 信越本線(新津~新潟)
- 米坂線 (米沢~坂町)
- 磐越西線(会津若松~新津)
- 津軽線 (青森~三厩)
- 五能線 (東能代~川部)
- 奥羽本線(秋田~東能代、弘前~青森)
このうち、今回の設備投資計画で触れられている「新潟地区」に相当するのは、羽越本線、信越本線、米坂線、磐越西線の4線区でしょう。
2015年のプレスリリースでは、新潟地区へは2017年度~2019年度、秋田地区へは2020年度に投入予定とされていましたので、予定通り、今年度新潟地区への投入が始まるということでしょう。
ちなみに、個人的に気になっているのは、烏山線や男鹿線に投入した「蓄電池電車」との使い分けです。以下の過去記事では、比較的短距離の路線で、電気式気動車を投入する線区に含まれていない左沢線や陸羽西線あたりには蓄電池電車の投入を考えているのでは、という予想をしていますが、さて、当たるでしょうか…?
10月に常磐線竜田~富岡の運転再開
東日本大震災に伴う津波被害と原発事故の影響で運休が続く常磐線ですが、昨年12月から少しずつ復旧が進んでいます。
2016年12月には、津波被害で壊滅的なダメージを受けた相馬~浜吉田間を内陸に移設したうえで復旧しています。実際に乗車レポートを投稿していますので、よろしければご覧ください。
さらに、2017年4月には、原発事故の避難指示解除に伴い、小高~浪江間の運転が再開されています。
このとき、2017年10月に、運休区間の南側に当たる竜田~富岡間の運転を再開する計画が発表されていましたが、今回の設備投資計画を見ても、計画通りに復旧作業が進んでいるものと思います。
- 小高~浪江(2017年4月1日に運転再開済み)
- 浪江~富岡(2019年度末までに運転再開予定)
- 富岡~竜田(2017年10月に運転再開予定)
残るは浪江~富岡ですが、この区間は帰還困難区域を含むため、復旧時期が遅くなっています。それでも、2019年度末(2020年3月末)までの運転再開を目指しています。
富岡~竜田が運転再開したときには、再び常磐線を訪問したいと思っています。
以上、JR東日本の2017年度設備投資計画のうち、乗り鉄的に気になるポイントをまとめてみました。すべて既報で新たな情報は少ないですが、振り返りも含めてまとめてみました。それぞれの詳細は、別途プレスリリースで発表されると思いますので、このブログでもウォッチしていきたいと思います。
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