JR各社で、車内販売の営業終了の発表が相次いでいます。2019年3月だけでも、JR北海道、JR東日本、JR四国、JR九州が、一部列車での車内販売の取りやめを発表しています。新幹線や特急列車から食堂車が消えてずいぶんたちますが、平成の終わりとともに、車内販売まで消えようとしています。
- JR各社が車内販売の営業終了を発表
- 車内販売実施中の路線・列車リスト(2019年3月16日以降) ※2/18更新版
- 車内でお弁当を買えるのは東海道・山陽・北陸新幹線だけに!
- 「かにめし」「牛肉どまん中」…有名駅弁も車内で買えなくなる
JR各社が車内販売の営業終了を発表
JR各社の車内販売の営業終了の発表が止まりません。
1月24日には、JR北海道とJR九州が、車内販売の終了を発表しました。
さらに、2月14日には、JR四国も、一部の列車で営業を続けてきた車内販売の終了を発表しました。
これで終わりかと思っていたら、最後に、JR東日本から、新幹線を含む大規模な車内販売の営業終了の発表がありました。
2019年3月をもって、車内販売を終了すると発表された路線・列車は以下の通りです。
- JR北海道
- 北海道新幹線(新青森~新函館北斗)
- スーパー北斗(一部列車で実施している車内販売を取りやめ ※2月末で取りやめ)
- JR東日本
- 東北新幹線やまびこ(全区間)
- 秋田新幹線こまち(盛岡~秋田)
- 踊り子
- 日光・きぬがわ・スペーシアきぬがわ
- 草津
- いなほ(酒田~秋田)
- JR四国
- しおかぜ・南風
- JR九州
- 九州新幹線全列車(博多~鹿児島中央)
各社のニュースリリースをまとめておきます。
- 客室乗務員による車内サービスの終了について(JR北海道ニュースリリース 2019年1月24日)[PDF]
- 新幹線・在来線特急列車の車内販売サービスの一部列車の終了と取扱品目の見直しについて(JR東日本プレスリリース 2019年2月18日 [PDF])
- 車内販売の終了について(JR四国ニュースリリース 2019年2月14日 [PDF])
- 車内販売サービスのご案内 | 鉄道の旅・旅行宿泊予約・ホテル | JR九州
車内販売実施中の路線・列車リスト(2019年3月16日以降) ※2/18更新版
2019年3月16日のダイヤ改正以降、JR各社で車内販売が残っている路線・列車は以下の通りです。
路線 | 列車 | 備考 | |
---|---|---|---|
JR東日本 | 東北新幹線 | はやぶさ・はやて | 品目見直し |
山形新幹線 | つばさ | 品目見直し | |
秋田新幹線 | こまち (東京~盛岡のみ) |
品目見直し | |
上越新幹線 | とき | 品目見直し | |
北陸新幹線 | かがやき・はくたか | ||
羽越本線等 | いなほ (新潟~酒田のみ) |
品目見直し | |
東海道本線等 | スーパービュー踊り子 | 品目見直し | |
中央本線等 | あずさ・かいじ | 品目見直し | |
常磐線 | ひたち | 品目見直し | |
首都圏各線 | 普通列車グリーン車 | ||
JR東海 | 東海道新幹線 | のぞみ・ひかり | |
JR西日本 | 山陽新幹線 | のぞみ・ひかり みずほ・さくら (新大阪~博多) |
|
北陸新幹線 | かがやき・はくたか |
※上記の全ての列車で車内販売が実施されているわけではなく、一部列車では実施されていません。詳しくは、会社名の欄をクリックし、各社の車内サービスの状況をご確認ください。
※太字は、お弁当やデザート類を含めた車内販売を継続する列車。それ以外は、飲み物・菓子類・つまみ類のみの提供。
※「品目見直し」は、ホットコーヒー、ソフトドリンク類(ペットボトル)、菓子類、アルコール類、つまみ類のみに限定して販売を実施。(お弁当、軽食類、デザート類、お土産類、雑貨類は販売なし)
車内でお弁当を買えるのは東海道・山陽・北陸新幹線だけに!
JR東日本は、これまで、短距離を除くすべての新幹線と、首都圏のほぼすべての在来線特急列車で車内販売を実施してきましたが、今回、大幅に営業終了となります。さらに、営業を続ける列車でも、品目の見直しが行われ、ホットコーヒー、ソフトドリンク類(ペットボトル)、菓子類、アルコール類、つまみ類のみの販売となります。
同社のフラグシップともいえる東北新幹線「はやぶさ」でも、品目見直しにより、お弁当やデザート類を購入できなくなってしまうのには驚きました。
これにより、車内販売でお弁当やアイスクリームを購入できる列車は、観光列車など特別の列車を除くと、東海道新幹線(のぞみ・ひかり)、山陽新幹線(のぞみ・ひかり・みずほ・さくら)、北陸新幹線(かがやき・はくたか)の3つの新幹線のみ となります。
「かにめし」「牛肉どまん中」…有名駅弁も車内で買えなくなる
今回の車内販売の大幅見直しで、いくつかの有名駅弁を車内で購入することができなくなります。
北海道の有名駅弁の一つ、長万部駅の「かにめし」と「特製もりそば」は、スーパー北斗の一部列車で購入することができましたが、車内販売の取りやめに伴い、車内では一切購入できなくなります。
「かにめし」は、長万部駅前にある「かにめし本舗 かなや」が製造販売する歴史ある駅弁です。1950年に誕生した「かにめし」の歴史は70年近く。客室乗務員に注文しておくと、長万部駅でできたての温かい「かにめし」を積み込んでくれるのでした。
もう一つ、山形県米沢市の「新杵屋」が販売する人気駅弁「牛肉どまん中」。山形新幹線「つばさ」の車内で、客室乗務員が注文を取り、米沢駅で積み込まれます。東京駅や山形駅でも購入できますが、米沢駅で積み込まれたものは、できたてで温かい状態であることが多いので、この車内販売で何度か食べたことがあります。
駅弁の売り上げの大半は、駅売店、ドライブイン、それに、各地のデパートで開催される駅弁まつりなどのイベントです。車内販売での売り上げは微々たるものなのですが、それでも、車内で購入できなくなってしまうのは寂しいですね。
以上、『【車内販売終了まとめ】JR各社で一斉に営業が終了! 平成とともに列車内サービスは終焉へ!』でお届けしました。食堂車がなくなり、そして、今度は車内販売まで風前の灯。列車の中で食べ物や飲み物を購入するという、これまでごく当たり前だったサービスが、これからは特別な列車だけのサービスになってしまいます。平成も終わりますし、時代といえばそれまでですが、ちょっと寂しいものがありますね…