2018年最後の乗り鉄は、しばらく訪れていなかった千葉県北部から茨城県方面へと行くことにしました。天気の良い冬の時期に、水郷地帯と鹿島灘の風景を眺めようというわけです。
冬の青春18きっぷを握りしめて、さっそく出発です。
年末の総武快速線で成田へ
12月下旬、年末の平日の朝。ふだんは通勤ラッシュでぎゅうぎゅう詰めの電車も、すでに年末年始休暇に入った人が多いのか、普段よりは空いていました。
東京駅地下ホーム、08時10分発の総武快速線成田空港行きに乗車します。乗り換えの成田駅までは1時間15分ほど。JRE POINTを利用して躊躇なく(?)グリーン車を利用します。格安旅行の代名詞、青春18きっぷと、プチ贅沢のグリーン車の組み合わせ、おすすめです。
横須賀線からやってきたこの列車、東京駅からは下り列車となるため、グリーン車も閑散としています。
地下区間からでるとスカイツリーがお出迎え。関東地方の冬らしい、雲一つない青空です。
何度も乗車している総武快速線、車窓をぼーっと眺めているだけで、あっという間に成田駅に到着です。
ボックスシートの成田線で佐原へ
成田では、17分の乗り継ぎで成田線に乗り換えます。
年が明ければ初詣客でごった返す成田駅も、年末はそれほどの混雑ではありません。それでも、思ったよりも乗り降りする人が多いですね。
成田線の銚子行きは、千葉県ではおなじみの209系4両編成。先頭車の2両はボックスシートがあるので、最後尾の車両に乗車して、ボックス席の窓側に座ります。
千葉県北部は、路線網と列車の運転区間が一致していなくて、複雑です。成田線は、佐倉~松岸間が本線で、我孫子~成田と成田~成田空港の2つの支線があります。
つまり、先ほど東京駅から乗車してきた電車は総武快速線から成田線に直通していて、成田駅で、成田線から成田線に乗り換えるということになります。下車した列車も成田線の成田空港へ。なんだかわけがわからなくなりますね(笑)
09時41分に成田駅を発車。車窓からは見えませんが、利根川の南岸を、少し離れて走っています。日本随一の大河、利根川の近くですから、広い平地が続きます。この時期は収穫を終えたあとですから、茶色の田畑が目立ちます。
車内は2~3割の乗車率。途中駅から乗車する人も少なく、車内は空いたまま、30分ほどで佐原に到着しました。
水郷の町、佐原を散策
佐原駅で途中下車したのは、水郷の町、佐原を散策するためです。利根川の支流、小野川の両岸には、江戸時代の木造建築が立ち並びます。「北総の小江戸」とも呼ばれる町の風景は、歩いているだけでも楽しめます。
年末も押し迫った時期ですから、観光客は少なく、ゆっくりと散策を楽しむことができました。
佐原散策の様子は、以下の記事をご覧ください。観光スポットが駅から徒歩10~15分圏内なので、気軽に途中下車して散策できます。
時間に余裕があれば、小野川を舟で下る「舟めぐり」もおすすめです。
鹿島線で水郷地帯の風景を楽しむ
佐原駅に戻ってきて、乗り鉄を再開します。
佐原駅の0番線ホームから、鹿島線の鹿島神宮行きに乗車します。鹿島線は、次の香取駅から、鹿島神宮の一つ先の鹿島サッカースタジアム駅までの路線ですが、列車の運行上は、佐原~鹿島神宮間を行き来しています。
車両はおなじみの209系4両編成。平日お昼過ぎの車内は空いています。例によって、最後尾の車両のボックス席に陣取りました。
12時17分に佐原を発車。次の香取駅から、鹿島線に入ります。
鹿島線に入ると、利根川や霞ヶ浦(北浦)、常陸利根川など、複数の川や湖を長大な橋梁で超えていきます。鹿島線の魅力は、日本でも有数の水郷地帯の景色を、高架の車窓から眺められることですね。
北浦にいたっては、まるで海のように広大です。この北浦を渡る北浦橋梁は、長さ1200メートルを超える長大な橋です。トラスがないので、車窓からは広々とした景色を眺めることができます。
鹿島線の詳しい乗車レポートは、以下の記事にまとめていますので、興味がありましたらご覧ください。
12時38分、終点の鹿島神宮駅に到着。たった20分ほどの乗車でしたが、水郷地帯の景色を満喫できました。
年末の鹿島神宮へ参拝
鹿島神宮駅は、その名のとおり、鹿島神宮へのアクセス駅です。JR鹿島線と、鹿島臨海鉄道大洗鹿島線の2路線が乗り入れますが、ホームは1面2線のみ。ホームの数に対して、駅舎はずいぶんと立派です。
駅前の急な坂道を登っていくと、鹿島神宮への参道に出ます。鹿島神宮までは、駅から徒歩10分ほどです。
鹿島神宮は、武道の神様である「武甕槌大神」を御祭神とする神社で、全国にある鹿島神社の総本社です。創建は、初代神武天皇元年にまでさかのぼる、由緒ある神社です。
鹿島神宮の入口には「大鳥居」があります。この大鳥居、数年前までは御影石製でしたが、2011年の東日本大震災で震度6弱の揺れに襲われて倒壊、その後、2014年に木製の鳥居が再建されました。
鳥居から楼門までの間には、お正月の準備でしょうか、出店がいくつも並んでいました。
鹿島神宮の見どころの一つ、日本三大楼門の一つに数えられる、立派な楼門です。1634年、水戸初代藩主の徳川頼房により奉納されたものだそうで、重要文化財に指定されています。
総朱塗りの鮮やかで堂々とした楼門です。現在は銅板葺ですが、もともとは檜皮葺だったそうです。その頃の姿も見てみたくなりました。
ちなみに、日本三大楼門の残り二つは、阿蘇神社(熊本県)と筥崎宮(福岡県)にある楼門なのだそうです。
楼門を入ると、右手に社殿があります。手前に見えているのは拝殿で、本殿はこの後ろ側にあります。この社殿は、1619年に、2代将軍徳川秀忠が奉納したものだそうです。
お正月の準備なのか、横長の大きな賽銭箱が臨時に設置されていました。後ろに見える杉の木は、鹿島神宮のご神木で、樹齢1,300年にもなるのだとか。
拝殿で参拝を済ませましたが、せっかくなので、奥宮まで行ってみましょう。奥参道は、高い樹木に覆われています。昼間でもやや薄暗く、神社らしい荘厳な感じに包まれていました。
300メートルほどの奥参道を抜けると、鬱蒼とした森の中に、ひっそりと奥宮がありました。この奥宮は、1605年に徳川家康が社殿として奉納したものだそうですが、社殿を建て替えるにあたり、奥宮としてこの位置に移設されたんだそうです。
現在の社殿と比べると小さいですが、周囲の森の雰囲気ともあいまって、厳かな印象を受けます。
奥宮の近くにある坂道を下っていくと、小さな池があります。「御手洗池」という池で、1日に40万リットルもの湧水が湧くそうです。昔は、ここで禊をしたんだそうです。
御手洗池のお隣には、一休 (ひとやすみ)という茶店がありました。寒い中、だいぶ歩いてきたので、ここで暖を取りましょう。


甘酒と三色団子を注文したら、小皿に盛られたお赤飯をサービスしていただきました。テーブルに置いてある、食べる唐辛子をかけていただくと、ほどよい辛さでおいしかったです。
甘酒で温まりながら、三色団子をいただきます。きなこがタップリかかったきびだんごに、餡がタップリ乗った草だんご、そして、特製味噌のみたらしだんご。どれもおいしかったです。
体も温まったところで、鹿島神宮駅へ戻りました。(つづく)
コメント
ひささん、こんばんは。
いやぁ、やっぱり魅力的ですね!
佐原&鹿島神宮、ますます行きたくなりました!
ハヤトさん、コメントありがとうございます。
佐原も鹿島神宮も、観光スポットが駅から近いので、散策するにはちょうど良いですね。
ぜひ訪れてみてください!