1日目は、上野から常磐線をひたすら北上、仙台から仙石東北ラインに乗り継いで、石巻までやってきました。2日目は、三陸海岸沿いをさらに北上していきます。
早朝の列車で前谷地へ
昨晩は石巻に宿泊。1日目の旅の様子は、以下の記事をご覧ください。
2日目は、例によって早朝の列車で石巻を出発します。これに乗らないと、このあとの計画が大きく狂ってしまうので、頑張って早起きしたのでした。
石巻06時51分発の石巻線 古川行きに乗車します。土曜日の早朝ということもあって、乗客はまばら。学校は休みだと思いますが、部活動があるのか、学生さんがまばらに乗っている程度です。
列車は、JR東日本の非電化区間ではおなじみの気動車、キハ110系の4両編成です。この乗客数で4両編成は過剰ですが、おそらく運用の都合でしょう。終点の古川で切り離されて、一部は陸羽東線の列車にでもなるのでしょう。
車内はこの通りガラガラ。途中駅からの乗客も少なく、ほとんど空気輸送のまま、7時11分に前谷地(まえやち)に到着しました。
前谷地から気仙沼線へ
前谷地駅は、石巻線(小牛田~女川)の途中駅ですが、気仙沼線が分岐する駅でもあります。写真の向こう側が小牛田方面、手前が石巻方面で、写真には写っていませんが、一番右側にある3番線から、気仙沼線の列車が発車します。
住所は石巻市ですが、市庁舎がある市街地からはかなり離れています。田舎ののどかな乗換駅といった趣で、なかなかいい雰囲気です。
朝日を浴びながら出発を待つ気仙沼線の列車。キハ110系の1両です。こちらも車内はガラガラ。余裕で1ボックスを占有できます。
07時33分に前谷地を発車。石巻線の線路と分かれて北へ進路をとります。途中駅での乗降はほとんどなく、川幅の広い旧北上川を渡ると、07時56分、終点の柳津(やないづ)に到着です。
新たに整備された柳津駅の乗り場から気仙沼線BRTに乗車!
気仙沼線は、本来は前谷地~気仙沼間の路線ですが、ここ柳津から気仙沼までは、BRT(バス高速輸送システム)での運行となっています。
2011年の東日本大震災の津波により甚大な被害を受けてしまったため、鉄道での復旧をあきらめ、鉄道の路盤やトンネルなどをそのまま活用してバス専用道を整備。BRTとして復旧したというわけです。
柳津駅で鉄路は途切れていますが、その向こうに停車しているBRTに乗車して、先へ進みましょう。
気仙沼線BRTの乗車の様子は、以下の記事で詳しくレポートしています。
気仙沼9分乗り換えで大船渡線BRTへ!
柳津からタップリ2時間もBRTに乗車して、10時ちょうどに気仙沼駅に到着しました。
次は、大船渡線BRTに乗車。乗り継ぎの時間はたった9分! トイレを済ませて、急いでBRTに乗車したのでした。
途中、「奇跡の一本松」駅で下車。10分ほど歩いて、海岸の近くにある奇跡の一本松を見に行きました。
震災を忘れないために、そして、震災からの復興のシンボルとしての「奇跡の一本松」。震災から8年が過ぎた今でも、周囲は更地のままです。少しでも早く復興が進むことを願わずにはいられません。
大船渡線BRTの乗車レポートは、以下の記事をご覧ください。
盛駅でランチ休憩
大船渡線BRTの終点、盛駅には、11時57分に到着。ちょうどお昼時ということで、乗り継ぐ列車を1本見送って、ランチにしました。
盛駅から駅前の道路を10分ほど歩いたところにあるお蕎麦屋さん「千秋庵」へ。蕎麦が食べたかったので、BRTの中で食べログで探していたのでした。
駅前の通りから、少し脇道に入ったわかりにくいところにあるのですが、お昼時ということもあってか、かなりお客さんが入っていました。みな地元の方のようで、家族連れや老夫婦が多かったですね。地元の方に愛されているお蕎麦屋さん、という感じです。
注文したのは天ざる蕎麦。比較的コシのあるお蕎麦に、揚げたての天ぷら。何も言うことはありません(笑)


おなかも膨れたところで、盛駅に戻ってきました。
左側のかわいい建物が三陸鉄道の駅舎、右側の立派な建物がJR東日本の駅舎です。盛駅に乗り入れているのは、三陸鉄道は鉄道、JR東日本はバス(BRT)なのですが、JR東日本のほうが大きな駅舎ですね。
三陸鉄道南リアス線でのんびり旅
ずっとBRTの旅が続いていましたが、ここから鉄道の再び鉄道の旅へ。13時17分発の南リアス線釜石行きに乗車します。WAONラッピングの気動車ですね。
三陸海岸沿いに走る南リアス線の一番の見どころは、吉浜湾です。トンネルと入り江のが繰り返される車窓の中で、随一の絶景区間です。吉浜湾が一番よく見えるポイントで、徐行してくれました。
三陸鉄道南リアス線の車窓については、以下の乗車レポートをご覧ください。
午後の南リアス線は、車内が閑散としていました。列車ものんびり走りますが、車内の時間ものんびりとしたものでした。
快速「はまゆり」でループ線を堪能!
釜石駅には14時10分に到着。次は、釜石線の快速「はまゆり6号」に乗車します。
釜石線のホームへ急ぐと、列車は既に入線していました。それもそのはず、乗り継ぎ時間は8分しかありません。今回の青春18きっぷ旅は、乗りたい路線や列車が多かったので、乗り継ぎがかなりタイトです。
14時18分、釜石駅を発車します。快速はまゆりには指定席があり、指定席は特急のようなリクライニングシートです。乗車時間が長いので、指定席を奮発したのでした。
釜石線の一番の見どころ「オメガループ」。オメガ(Ω)の形をしたループで、高度をかせいでいきます。そのせいで、これから走る線路を(あるいは、さっき走ってきた線路を)車窓から見ることができます。Googleマップと車窓を見比べながら乗っていると、楽しいですよ。
途中、雪が降ってきたりと、天候の変化が目まぐるしかったですが、花巻から東北本線に入ると晴れ間が見えてきました。東北新幹線の乗り換え駅の新花巻で大半の乗客が下車。車内ががらがらになった快速「はまゆり」は、東北本線を爆走します。
16時40分、盛岡駅に到着しました。
釜石線「快速はまゆり」の乗車レポートは、以下の記事をご覧ください。オメガループについても、詳しく紹介しています。
最後は東北新幹線「やまびこ」のグリーン車を奮発!
自宅(東京)から丸二日間かけて、ひたすら北上して、ようやく盛岡までやってきました。今回の旅の最後の列車は、東北新幹線「やまびこ」です。丸二日間かけてやってきた距離を、3時間で戻してくれます(笑)
やまびこ56号のグリーン車に乗車します。グリーン車にするつもりはなかったのですが、指定席が満席だったので、やむを得ず(?)グリーン車を奮発したのでした。お正月明けの週末ですが、第二の(?)Uターンラッシュの日らしく、指定席は軒並み満席でした。
まあ、ここまで、旅費は、青春18きっぷ二日分+三陸鉄道の乗車券くらいしかかかっていないので、最後くらい贅沢をしてもいいでしょう。
新幹線のグリーン車に乗るのは久しぶりです。さすがに座席はゆったりしていて、これなら3時間乗っていても、まったく苦痛ではありませんね。
18時40分に盛岡駅を発車。仙台までは各駅停車です。
盛岡駅の売店で売れ残っていた幕の内弁当と銀河高原ビールで乾杯! 暗くなった車窓を眺めながら、帰京したのでした。(おわり)
以上、『被災路線をたどる青春18きっぷ旅』の旅行記でした。震災からの復興の途上にある三陸地方ですが、着実に復興が進んでいるところ、遅々として進まないところなど、地域によって差が出てきているように感じました。2019年3月には、宮古~釜石間の鉄道も再開することですし、復興応援の意味も込めて、また訪れてみたいと思います。
関連記事
『被災路線をたどる青春18きっぷ旅 2019冬』の旅行記のリンクです。
コメント
ひさ(kz_hisa) (id:kzlife)さん
こんばんは!
長旅お疲れさまでした。
のんびりローカル線いいですね。
しかし、本当に新幹線は偉大ですね。距離を縮めてくれます。
ハヤトさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!
東北地方は、のんびり旅をするのに適したローカル線が多いですね。
2日間かけて、ようやく盛岡までたどり着いたと思ったら、3時間後には東京ですからね。
18きっぷで旅をしていると、新幹線の速さを思い知らされます(笑)