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代行バス・復旧区間を経由して常磐線を完乗 ~被災路線をたどる青春18きっぷ旅(1) 2019冬~

旅行記
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2018-19年の冬の青春18きっぷ旅。第二弾は、東日本大震災の被災路線に乗車し、復興の様子を確認する旅に出ることにしました。2019年3月には宮古~釜石間(JR山田線→三陸鉄道に移管)が、2020年3月には常磐線の全線復旧が控えています。鉄道の全線復旧を前に、現在の様子を見ておきたいと思ったのでした。

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旅の計画

正月明けの金・土の1泊2日で、東日本大震災で津波や原発事故の被害を受けた路線をたどって、青春18きっぷでできるだけ北へと行く、というマイルールを決めて、計画を立てました。

その結果、以下のような計画となりました。

  • 1日目:常磐線(上野→仙台、代行バス区間・前回訪問時からの鉄道復旧区間の確認)、仙石東北ライン(仙台→石巻、仙石線の被災区間の確認)、石巻泊
  • 2日目:気仙沼線(柳津→気仙沼、BRT区間の確認)、大船渡線(気仙沼→盛、BRT区間の確認、奇跡の一本松訪問)、三陸鉄道南リアス線(盛→釜石)、釜石線・東北本線(釜石→盛岡、快速はまゆり乗車)

ポイントは、常磐線全線の乗車と、気仙沼線・大船渡線のBRT区間全線の乗車を入れたことです。常磐線は2017年1月に、気仙沼線BRTは2013年8月に乗車したことがあるので、その後の復旧・復興の様子を見ておきたいと思ったからです。

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早朝の朝焼けから太平洋の絶景へ! 常磐線を北上!

今回の旅、2日目の盛岡→東京の東北新幹線以外は、基本的に青春18きっぷで行くことにしました。つまり、出発がとても朝早くなるということです(笑)

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まだ暗い早朝の上野駅で出発を待つ水戸行きの普通列車

上野駅06時04分発の水戸行きに乗車。水戸までは2時間の行程なので、グリーン車を奮発します。徐々に明るくなっていく朝焼けの空を、グリーン車の2階席から眺めながら、常磐線で北上します。

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水戸発いわき行きはE501系10両編成!

グリーン車はガラガラのまま、午前8時ちょうどに終点の水戸に到着。次に乗り継ぐのは、08時18分発のいわき行き普通列車。E501系。なんと10両編成です。

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久ノ浜付近の車窓からは太平洋が見えます

水戸より北側では、ところどころで海岸線の近くを通るので、太平洋を眺めることができます。寒い冬の日でしたが、太平洋は意外にも穏やかです。

さすがに朝の下り列車には10両は輸送力過剰なのか、一人1ロングシート(?)のまま、09時50分にいわきに到着しました。

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富岡行きの普通列車は元スーパーひたちの651系!

いわきからは、富岡行きの普通列車に乗り継ぎます。この列車は、かつて「スーパーひたち」として活躍していた651系電車(4両編成)です。

車内は、リクライニングシートがボックスの状態にセットされています。普段からこのまま運用されているのでしょう。これに青春18きっぷのみで乗車できるとは、なかなかの乗りトク列車ですね。

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津波の被害を受けた区間を北へ! 今では無事に復旧しています

いわき~富岡間でも、ところどころ海のすぐ近くを通ります。そのため、あちこちで津波の被害を受けてしまったのでした。それでも、いまは無事に復旧しています。

富岡には11時09分に到着。ここから先、浪江までの間は、原発事故の影響で、現在も運休中ですので、代行バスに乗り換えます。

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真新しい富岡駅と、時が止まった帰還困難区域

富岡駅は、東日本大震災の津波被害によって全壊。その後の原発事故で立ち入り禁止区域になってしまたっため、復旧工事ができずにいましたが、2017年4月に避難指示が解除。同10月に富岡までの運転が再開されました。

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津波で全壊した富岡駅、2017年10月に新たな駅舎で復旧しました

真新しい駅舎に、きれいに整備された駅前広場が目を引きます。新しい駅舎には、NREが運営するコンビニ・お食事処「さくらステーションKINONE」も開店しました。

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富岡~浪江間の常磐線は現在も不通のため、代行バスに乗り換えます

その駅前広場にあるバス停から、浪江駅行きの代行バスに乗車します。この日はほぼ満席に近いほどの盛況ぶりです。

代行バスは、時刻通り、11時40分に富岡駅を発車。窓開け厳禁とのアナウンスがありました。というのも、この代行バスは、この先、線量の高い帰還困難区域を通過するからです。

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国道6号線に入るとすぐに帰還困難区域へ 窓開けは厳禁です

いよいよ、帰還困難区域に入ります。窓を閉められる車両以外は通行禁止ということですね。

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2011年の震災の日から何も変わっていない帰還困難区域…

2年前に乗車したときは、竜田~原ノ町間の運行でしたが、同じ国道6号線を通っているはずです。そのときと、様子は全く変わっていません。放置され、荒れ放題となったお店やガソリンスタンドなどが点在し、道路との間には侵入できないようにバリケードが設置されています。

2011年3月のあの日から、この帰還困難区域だけはずっとこのまま。本当にここだけ時間が止まってしまったようです。現在でも、帰還できる目途は立っていません。

富岡駅から約30分の乗車で、12時10分、終点の浪江駅に到着しました。

全壊した富岡駅が立て替えられ、復興に向けて進み始めた富岡町とは対照的に、帰還困難区域だけは全くの手つかず。2020年3月には常磐線が全線で運転を再開する予定ですが、そのときに、この帰還困難区域はどうなっているのでしょうか? 再び時が動き出す日がくることを願っています。

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浪江からは719系4両編成で原ノ町へ

浪江からは原ノ町行きの普通列車に乗車します。719系4両編成。この形式の電車が出てくると、東北へやってきたな、と思えますね。

3番線だけが使用されている富岡駅を12時10分に発車。青空に農地が広がるのどかな風景の中を走行、約20分で終点の原ノ町に到着しました。

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原ノ町のランチ休憩は「歩々」の親子丼!

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お昼を過ぎてようやく原ノ町に到着

早朝からずっと列車とバスに乗り続けてきたので、ここらで乗り継ぐ列車を1本遅らせて、ランチ休憩にしましょう。

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まちなかひろば原ノ町屋台村にある「歩々」(ふうふう)

ランチは、原ノ町駅から徒歩10分弱の「まちなかひろば原ノ町屋台村」にある小さなお食事処「歩々(ふうふう)」にしました。カウンターのみで、数人も入れば満席です。

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伊達鶏の親子丼(大)小鉢2個もついて650円!

伊達鶏の親子丼(大)。小鉢やデザートが二つ選べて、合わせて650円と格安です。この親子丼、ふわとろで絶品でした。ジューシーな鶏肉にたまごが絡んで最高です。

横浜出身の店主が始めたお店だそうですが、かなりレベルの高い親子丼でした。こうなると、他のメニューも食べてみたくなりますが、それは、また次に常磐線を旅するときのお楽しみとしましょう。

webサイトはないようですが、Facebookのページがありました。

www.facebook.com

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津波の被害が大きかった区間を抜けて仙台へ

おなかも膨れたところで、鉄道の旅に戻りましょう。

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常磐線最後の列車はE721系+701系の4両編成 仙台行き

原ノ町からは、13時48分発の仙台行きに乗車します。E721系+701系の4両編成です。ボックスシートのあるE721系に乗車。窓側の座席を確保して、仙台までの汽車旅を楽しみましょう。

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津波被害後に内陸に付け替えられた高架区間を走行

途中の相馬~浜吉田間は、もともと太平洋の海岸線のすぐ近くを通っていたのですが、東日本大震災の津波で甚大な被害を受けてしまいました。その後、1kmほど内陸に線路を移し、高架の路線として復旧したのでした。

移設された高架の線路や駅の様子については、2017年1月に乗車したときの記事で詳しく紹介しています。

www.kzlifelog.com

付け替え区間を抜け、岩沼駅から東北本線に入ると、徐々に乗客が増えてきました。最後は、立ち客も出るほどの混雑になり、15時12分に仙台に到着。上野駅から、途中1時間の休憩を挟みましたが、約9時間かけて、常磐線を乗りとおしたのでした。(つづく)

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関連記事

常磐線の詳細な乗車レポートについては、以下の記事をご覧ください。

www.kzlifelog.com

旅行記汽車旅汽車旅-JR東日本
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この記事を書いた人
乗り鉄歴25年!
ひさ

乗り鉄歴25年! 青春18きっぷやフリーきっぷを利用して、関東甲信越、北海道、東北によく乗り鉄に出かけます。このブログでは、これまでの乗り鉄経験を活かして、おすすめの列車や路線、青春18きっぷ活用のノウハウ、お得なきっぷの情報などを掲載しています。

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