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JR九州が線区毎の利用状況を公表、都市部と地方の明暗くっきり! 地方交通線の乗客はJR発足後30年間で大幅減に!

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線路

JR九州が、JR発足後、初めて路線・線区毎の利用状況(平均通過人員)と運輸収入を公表しました。30年前のJR発足時と比べると、幹線や大都市周辺は増加もしくは横ばいの線区が多いですが、地方交通線(いわゆるローカル線)は大幅減の線区が目立ちます。九州でもローカル線の経営環境は厳しさを増しているようです。

JR九州が路線・線区毎の利用状況を公表

JR九州が路線・線区毎の利用状況(平均通過人員)を公表しました。

路線別ご利用状況(JR九州のWebサイトより)

今回公表したのは平成28年度分ですが、前回は昭和62年のJR発足時にまで遡ります。

都市部と地方の明暗くっきり

公表されたデータを見ると、この30年間で、路線・線区ごとに明暗がはっきり分かれています。

JR九州が公表したデータは、「九州新幹線」「在来線(幹線)」「在来線(地方交通線)」の三つに分かれています。

このうち、「在来線(幹線)」では、平均通過人員(人/日)がおおむね横ばいか増加している路線が多いですが、「在来線(地方交通線)」では、大幅に減少している路線や線区が目立ちます。

都市部での平均通過人員は大幅増加

線区ごとに見ていくと、都市部の乗客の増加が目立ちます。いくつか例を挙げてみます。

  • 博多周辺
    • 鹿児島本線 小倉~博多: 68,929人/日 → 82,866人/日
    • 鹿児島本線 博多~久留米: 46,908人/日 → 68,589人/日
    • 篠栗線全線: 10,755人/日 → 21,550人/日
  • 鹿児島周辺
    • 鹿児島本線 鹿児島中央~鹿児島: 9,962人/日 → 11,811人/日
    • 日豊本線 国分~鹿児島: 9,875人/日 → 11,214人/日
  • 佐賀周辺
    • 長崎本線 鳥栖~佐賀: 24,187人/日 → 31,420人/日
    • 長崎本線 佐賀~肥前山口: 19,732人/日 → 21,430人/日

※路線名 線区: 昭和62年の平均通過人員 → 平成28年の平均通過人員

このように、県庁所在地級の都市周辺では、大きく乗客が増えています。30年前との比較ですので、ここ数年の傾向はわかりませんが、都市部への人口集中が寄与しているのではないかと思います。特に、福岡県は、首都圏以外では唯一人口が増え続けているそうなので、その影響は大きいと思われます。

厳しい状況のローカル線

一方で、大きく乗客を減らしているのが地方のローカル線です。

  • 日田彦山線: 2,057人/日 → 1,302人/日
  • 肥薩線: 1,400人/日 → 458人/日
  • 吉都線: 1,518人/日 → 466人/日
  • 日南線: 1,423人/日 → 779人/日

半減どころか、3分の1以下に乗客が減ってしまっている路線もあります。

平均通過人員が500人/日以下の線区をあげてみます。

  • 筑肥線 伊万里~唐津: 236人/日
  • 日田彦山線 田川後藤寺~夜明: 299人/日
  • 肥薩線 八代~人吉: 478人/日
  • 肥薩線 人吉~吉松: 108人/日
  • 指宿枕崎線 指宿~枕崎: 301人/日
  • 日南線 油津~志布志: 222人/日
  • 吉都線 全線: 466人/日

500人/日以下ともなると、いつ廃止になってもおかしくはないと思います。実際に、JR北海道では、2000人/日以下の線区を「単独では維持困難な路線」としてあげています。

これらの線区のうち、肥薩線は観光列車が多く走る観光路線になっています。肥薩線単独では大赤字でも、観光客が九州新幹線で八代までやってきてくれれば、その分の増収が見込めますので、すぐに廃止になることはないと思います。

盲腸線の末端部にあたる日南線(油津~志布志)や指宿枕崎線(指宿~枕崎)は、さらに人口減少が進み、JR九州の経営状態が悪化してくると厳しいかもしれません。

日田彦山線の復旧は?

最も心配なのは、日田彦山線です。日田彦山線の添田~夜明間は、先日の豪雨でかなり大きな被害を受けてしまいました。

平成29年7月九州北部豪雨による久大本線・日田彦山線の状況について(JR九州ニュースリリース 平成29年7月31日)

JR九州のニュースリリースによると、同じく被害を受けた久大本線のほうは、来年夏(平成30年夏)を目途に復旧すると明記されていますが、日田彦山線のほうは、

現在、復旧方法の検討を行っており、復旧には相当の期間を要する見込みです。

とだけ記されています。被害を受けた区間が長く、被害箇所は63箇所にも上るそうです。前述の通り、この区間はJR九州の路線の中でもかなりの閑散線区です。

最近でも、岩泉線(JR東日本)や日高本線(JR北海道)のように、災害で不通になったのを機に、廃止になったり、廃止に向けた協議が始まったりしている路線がいくつかあります。日田彦山線がこのような例にならないといいのですが…。

将来を見据えた早期の議論開始が重要

現在、JR北海道で起こっていることが、10年後、20年後には、日本全国で起こることは間違いありません。JR北海道は、「このままでは3年後に経営が立ち行かなくなる」として、2016年に「単独で維持困難な線区」を発表したわけですが、あまりに遅かったと思います。

JR九州は、同様の事態に備えて、上場を機に、路線別の利用状況を公表するようにしたのでしょう。欲を言えば、赤字ローカル線をどうするか、という議論ではなく、人口減少時代の地方の交通インフラをどのように維持すべきか、という観点での議論ができる雰囲気が醸成されるとよいのですけどね。これは、一民間企業であるJR各社だけでは難しく、国や自治体を巻き込んだ議論をしていかないといけないと思います。