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鉄道以外も選択肢に! 7月の九州北部豪雨で不通の日田彦山線、添田~夜明の鉄路復旧はありえるのか?

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今年7月の「平成29年7月九州北部豪雨」で、JR九州の久大本線と日田彦山線が甚大な被害を受けて、現在も一部区間で不通となっています。久大本線については来年夏を目途に運転再開を目指すことが発表されていましたが、日田彦山線の添田~夜明間は、「バスやタクシーなどの鉄道以外での復旧も選択肢」とJR九州の青柳社長が述べたそうです。このまま廃線になってしまうのでしょうか? ここ数年、大雨や台風などの気象災害で被災する鉄道路線が増えていて、復旧しないまま廃止されてしまう、あるいは、廃止を検討するというケースが相次いでいます。

日田彦山線の添田~夜明間の被害は63箇所! 復旧時期は明示されず

今年7月5日の九州北部豪雨で、日田彦山線の南半分にあたる添田~夜明間が被災し、現在も不通となっています。

JR九州は、7月31日に、この区間の被災状況を発表しています。

平成29年7月九州北部豪雨による久大本線・日田彦山線の状況について(JR九州 ニュースリリース 2017年7月31日, PDFファイル)

このリリースによると、添田~夜明間(29.2km)で、63箇所もの被災箇所が確認されたとしています。大きなものでは、橋脚傾斜 や盛土・軌道流出、切取崩壊がありますし、それ以外でも、土砂流入や道床流出が多数あるようです。

7月末の段階では、同じく被災した久大本線については、平成30年夏の復旧を目指すことが発表されていましたが、日田彦山線については、

現在、復旧方法の検討を行っており、復旧には相当の期間を要する見込みです。

とされており、具体的な復旧時期が明示されなかったため、復旧されるのかが懸念されていました。

輸送密度299の閑散区間、バスやタクシー等の鉄道以外の輸送手段も検討

そんな中、JR九州の青柳社長は、自前での復旧は困難で、国や地元自治体の補助で鉄道を復旧させるか、バスやタクシーなどの鉄道以外の輸送手段も検討すると発言したそうです。

被災した添田~夜明を含む日田彦山線の南部は、輸送密度が低い超閑散区間となっています。JR九州が発表している「路線別ご利用状況」によると、被災区間を含む田川後藤寺~夜明間の輸送密度は299人/日となっていて、全国のJR線の中でも有数の少なさになっています。

www.jrkyushu.co.jp

このような路線で、大規模な被害が出てしまっていますので、復旧せずに廃止、バス転換という話が出てきてもおかしくはありません。今回の社長の発言は、それを示唆していると言えるでしょう。

鉄路復旧が決まった只見線のような議論になるかも?

似たような事例としては、つい最近、鉄道での復旧が決まった只見線の会津川口~只見間の例があります。

www.kzlifelog.com

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只見線の会津川口~只見間は、2011年の豪雨被害で長らく不通となっていました。JR東日本が鉄道廃止・バス転換を提案しましたが、福島県や沿線自治体も費用負担することで同区間を復旧、さらに、復旧後は上下分離方式を採用して、線路などの設備を自治体が保有してJR東日本に貸し付けることまで決まりました。

日田彦山線の添田~夜明間も、復旧に際しては、同様の事態になりそうです。まずは、JR九州が沿線自治体の意向を聞くことから始めると思いますが、沿線自治体が鉄道での復旧を要望した場合、費用負担の交渉になると思います。

只見線のケースでは、福島県が観光振興を重視して費用負担のうえで鉄道の復旧を選択しましたが、日田彦山線の場合はどうなるでしょうか?

被災→廃止・廃止検討の路線が増えている

ここ数年、大雨や台風等の気象災害で大規模な被害を受けて不通となり、そのまま廃止されたり、復旧工事に着手せずに廃止を検討している路線が増えています。

  • 日高本線(鵡川~様似): 2015年の高波被害、2016年の台風被害で被災、JR北海道が廃止を表明・協議中
  • 根室本線(東鹿越~上落合信号場): 2016年の台風被害で被災、「単独で維持困難な線区」として協議中
  • 岩泉線(茂市~岩泉): 2010年の土砂崩れによる脱線事故で不通、2014年4月に廃止

他にも、廃止の話は出ていませんが、2016年の熊本地震で被災した豊肥本線(肥後大津~阿蘇)や南阿蘇鉄道(立野~中松)、2017年の台風被害で被災した豊肥本線(臼杵~佐伯)が運休のままです。

大規模な災害になると、復旧費用だけで数十億円~100億円かかることも珍しくありません。前述の只見線の例では、復旧費用は81億円、被災区間の運賃収入は年間でたった500万円。毎年、億単位の赤字が発生しています。経済合理性だけでみれば、民間会社であるJRにとって、毎年数億円の赤字を生むものを、数十億円の費用をかけて復旧させるのは、道理に合わないでしょう。

今後、同様な事例が多く発生するのではないかと心配です。

日田彦山線の復旧をどうするのか、今後の交渉の行方に注目していきたいと思います。

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今年の夏に、一部区間が運休中の只見線を訪れた時のレポートです。

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