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JR釧網本線の維持をめぐって沿線自治体が意見交換、魅力的な観光地が点在する釧網本線をどう維持していくべきか?

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釧網本線の快速しれとこ

JR北海道が2016年11月に公表した「単独では維持困難な線区」。このうち、釧路と網走を結ぶ釧網本線の維持をめぐって、釧路地方とオホーツク地方の沿線自治体が意見交換会を開催しました。沿線には、釧路湿原、川湯温泉、屈斜路湖や摩周湖、そして、オホーツク海の流氷など、多くの観光地を抱える釧網本線ですが、今後、どのように維持していくことになるのでしょうか?

釧網本線の沿線自治体が意見交換会を開催

報道によると、7月24日、釧路地方とオホーツク地方の沿線自治体が、釧網本線の維持を目指して意見交換会を開催したとのことです。

headlines.yahoo.co.jp

www.hokkaido-np.co.jp

短い記事ですが、ポイントをまとめると以下の通りです。

  • 釧路地方総合開発促進期成会、オホーツク圏活性化期成会のメンバーの市町村長ら18名が参加
  • 5月に続いて2回目の会合
  • 以下の内容について話し合いを実施した
    • 観光列車の運行
    • 地域住民に理解を深めてもらうためのシンポジウムの開催
    • 北海道観光振興機構に支援の働きかけ
  • 釧路とオホーツクの合同部会を設置することを合意
  • オホーツク側が求めていたJRとの早期の協議入りは結論見送り
  • 次回は秋ごろに会議を開催

沿線自治体のみの会合だったようで、JR北海道や、北海道の関係者は呼ばれていないようです。

まずは地元で方針を固めてから、ということなのでしょうけれど、オブザーバーではあるものの、JR北海道の関係者も呼んで協議を始めている宗谷本線と比べると、のんびりしている感が否めません。もっとも、他の線区同様、費用負担の話になったときに、沿線自治体のみではとても対応しきれないでしょうから、北海道に対して参加を呼び掛けている状況なのかもしれません。

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「観光路線」をどう維持していくべきか?

釧路湿原ノロッコ号

北海道の作業部会が2017年2月に取りまとめた「将来を見据えた北海道の鉄道網のあり方について」という報告書では、以下の6つに類型に区分して議論するとされています。

  1. 札幌と中核都市等をつなぐ路線
  2. 広域観光ルート
  3. 国境周辺・北方領土隣接地域の路線
  4. 広域物流ルート
  5. 地域の生活路線
  6. 札幌近郊の都市圏路線

(出典)将来を見据えた北海道の鉄道網のあり方について(要約版), 平成29年2月7日, PDFファイル

釧網本線は、おそらく2.に該当するでしょう。釧路や網走近郊は5.にも当てはまるかもしれません。

今回開催された沿線自治体の会合でも、

観光列車の運行 北海道観光振興機構に支援の働きかけ

などが議題にあがっていることから、観光路線としての活性化を目指していることがわかります。

観光資源が豊富な釧網本線

実際、釧網本線は、観光資源に恵まれた路線です。少し考えただけでも、

  • 釧路湿原(釧路~塘路)
  • 川湯温泉(川湯温泉駅)
  • 屈斜路湖・摩周湖等の玄関口(摩周駅)
  • 世界遺産 知床への玄関口(知床斜里駅)
  • オホーツク海の絶景・冬季の流氷観光(知床斜里~網走)

などが思い浮かびます。

経営が苦しいJR北海道ですが、数少ない観光列車を集中的に走らせている路線でもあります。

  • くしろ湿原ノロッコ号(夏季, 釧路~塘路)
  • SL冬の湿原号(冬季,釧路~標茶)
  • 流氷物語号(冬季, 網走~知床斜里)

だいぶ前になりますが、「くしろ湿原ノロッコ号」に乗車したことがあります。9月の連休という、道東としてはシーズンオフになりつつある時期でしたが、観光客で大盛況でした。普段は1両の気動車ですら空席が目立つ路線ですから、釧網本線にとっては、観光資源による集客は極めて重要であることがわかります。

JR北海道としては周遊ルートの構築が課題

釧網本線を観光路線として活性化する方向性は間違いがないとは思います。しかし、釧網本線単体で考えると、観光需要だけで路線が維持できるとも思えません。

JR北海道の資料によれば、輸送密度は513人/キロ/日、列車あたりの平均乗客数は34人と、かなり厳しい数字になっています。

「当社単独では維持することが困難な線区」について(JR北海道/PDFファイル)

そこで、釧網本線沿線に観光に来てもらうために、いかに周遊ルートを構築するかが重要になってきます。つまり、釧網本線単体では赤字であっても、釧網本線への観光客が、JR北海道の他の路線を利用してくれれば、トータルで収入増に寄与する、という考え方です。

JR東日本の五能線が好例

この観点でうまくいっている例が、JR東日本の五能線ではないかと思います。

五能線は秋田~青森の日本海沿岸を走る超ローカル線でしたが、観光路線化を積極的に進め、現在では、繁忙期には観光列車「リゾートしらかみ」が3往復も走る路線になっています。その観光列車の車両も、初代は古い気動車の改造でしたが、最近の車両は新製した最新のハイブリッド車両になっています。

五能線単体では、現在も赤字路線であることに違いはないと思いますが、五能線に乗車するために、首都圏の乗客が、秋田新幹線や東北新幹線に乗車してやってくるので、JR東日本としてはトータルでかなり増収になっているのではないかと思います。

札幌から遠いのがネック?

一方、釧網本線は、札幌から時間距離が遠いのがネックになりそうです。

  • 札幌~網走: 特急オホーツクで5時間以上
  • 札幌~釧路: 特急スーパーおおぞらで約4時間

札幌から遠いため、北海道外から道東への観光客は、新千歳空港ではなく、釧路空港や旭川空港、女満別空港を利用するのではないかと思います。

それでも、LCCが頻繁に飛んでいるのは新千歳空港だけですし、外国人観光客は新千歳空港を利用する方が多いでしょうから、片道だけでも特急に乗車してもらえれば、JR北海道の増収に寄与するのではないかと思います。

JR北海道にとっては札幌~釧路などの特急列車は貴重な収入源でしょうし、釧網本線沿線の自治体にとっては、釧網本線は貴重な観光資源でしょう。単なる費用負担の押し付け合いのような議論ではなく、観光路線化を目指した連携を模索してほしいと思いますね。

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