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JR北海道が根室本線の被災状況を公表、復旧費用10.5億円で12ヵ月を要すると発表! このまま廃線になってしまうのでしょうか?

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日本三大車窓の一つ狩勝峠

2016年8月末の台風被害の影響で不通となっている根室本線の東鹿越~上落合信号場の復旧について、JR北海道が被災状況を公表しました。合わせて、復旧費用が10.5億円、工事には少なくとも12ヵ月を要するとしています。この区間は、JR北海道が昨年11月に公表した「単独で維持困難な線区」に含まれています。このまま廃線になってしまうのでしょうか?

JR北海道が根室本線の被害状況を公表

JR北海道は、7月12日に根室本線の運休区間の被災状況を公表しました。

根室線 東鹿越~上落合間の被災状況について(JR北海道プレスリリース 2017年7月12日[PDFファイル])

(別紙)マップ[PDFファイル]

概要は以下の通りです。

  • 被災区間: 東鹿越(駅構内)~上落合信号場(駅構内)
    • 注:運休区間は東鹿越~新得間
  • 概算工事費: 10.5億円(土木5.4億円,軌道2.3億円,電気2.8億円)
  • 復旧期間: 最低でも12ヵ月以上

JR北海道のプレスリリースの「(別紙)マップ」のほうに写真付きで被災状況が公表されています。

2016年12月末に復旧している区間では橋梁流出などの被害がありましたが、現在も運休中の東鹿越~新得の区間では、橋梁流出などの大規模な被害はなさそうです。ただし、土砂流入や斜面崩壊などの被害が多数あり、被害を受けている範囲が予想以上に広いな、という印象です。

「2017年春以降に復旧工事に着手」とされていた区間

2016年8月の台風では、石北本線や、根室本線の新得より東側の札幌~釧路を結ぶ区間でも被害を受けていましたが、2016年中に早々と復旧工事が完了し、現在は通常ダイヤに戻っています。これらの区間は、札幌~網走や釧路を結ぶ特急が走る路線であることや、貨物列車のルートになっていることもあって、優先的に復旧工事がなされました。

一方、まだ手付かずのまま残っているのが、今回、被災状況が公表された根室本線の東鹿越~新得間です。輸送密度200人/日以下の超閑散路線ですし、現状は特急も貨物列車も走っていませんので、復旧工事が後回しにされてしまったのは仕方がないでしょう。山間部でもあり、冬季は積雪により工事ができないので、この区間は「2017年春以降に工事に着手する」とされていました。

「単独で維持困難な線区」発表により工事着手時期が未定に

その後、JR北海道が経営立て直しのために公表した「単独で維持困難な線区」に被災区間が含まれていたことから、復旧工事の開始そのものが危ぶまれていました。今回のリリースでは、

復旧するには国等による災害復旧事業費補助の枠組みを使うことになりますが、公的資金を入れるということは、持続的に路線を維持していくことが前提となります。

※引用元: 根室線 東鹿越~上落合間の被災状況について(JR北海道プレスリリース 2017年7月12日[PDFファイル])

と書かれています。これはつまり「路線の維持が決まったら工事に着手しますよ」 と解釈できます。

まあ、JR北海道としては当然そのような判断になるだろうな、とは思いますが、この区間の路線維持が決まったとしても、それから復旧までに1年以上を要するわけですから、当面は不通のままということになってしまいそうです。

JR北海道の負担は半分の約5億円

上記のプレスリリースで触れられている「災害復旧事業費補助」制度ですが、鉄道設備の補助については、ざっくりいうと以下のようになっています。

  • 補助対象: 大規模な天然災害(復旧費が当該路線の運輸収入の1割以上となる災害)
  • 補助対象事業者: 収支が営業損失・経常損失の事業者(赤字の事業者)
  • 補助率(費用負担の割合): 国1/4、地方1/4、鉄道事業者1/2

JR北海道は補助対象の事業者になりますので、今回の区間の復旧工事を実施する場合、国と地方(北海道)が約2.5億円ずつ、JR北海道が約5億円を負担することになります。

この5億円をどう見るかですが、車両の更新ができなくて列車を減便させたり、特急列車の系統分離をしている今のJR北海道にとっては、大きな負担であるのは間違いないでしょう。

一方で、北海道の予算を見ると、年間で数百億円を道路の維持管理や更改・新造などに充てています。単純に比較できるものではないですが、同じ移動のためのインフラと考えたとき、たかだか5億円(全部北海道が負担しても10億円)が捻出できないために鉄道が廃止になるというのは、いかにもアンバランスではないかとも思います。

根室本線の分断を許してしまうのか?

この区間は、JR北海道が「単独では維持困難な線区」として公表した13線区のうち、輸送密度200人/日未満の3線区のうちの一つです。他の二つは、札沼線(北海道医療大学~新十津川)、留萌本線(深川~留萌)です。

これらの3線区は、鉄道の維持ではなく、バス転換を前提に沿線自治体と相談を始めるとしています。つまり、JR北海道としては、かなりの好条件で沿線自治体が費用負担に応じてくれない限りは、廃止したい線区ということです。

札沼線と留萌本線の二つは、盲腸線(終点で他の路線に接続していない路線)なので、地元の自治体との交渉次第ということでよいのかもしれませんが、今回の被災区間は根室本線の途中区間にあたります。札幌と帯広や釧路を結ぶ石勝線が被災したときの迂回ルートとして活用できる可能性もあります。つまり、北海道全体での交通体系のあり方に関わる区間だということです。「復旧にもお金がかかるし、復旧させても大赤字の路線だから、廃止してしまおう」という短絡的な思考ではなく、高速道路や国道などを含めた都市間輸送全体のあり方を含めた議論をしてほしいと思います。

日本三大車窓の一つ「狩勝峠」を含む区間

狩勝峠の車窓

と、少し真面目な話を書いてみましたが、乗り鉄の一人としては、何とか復旧してほしいと願っている区間でもあります。

それは、鉄道の「日本三大車窓」と言われる場所の一つである「狩勝峠」がこの区間に含まれているからです。1966年に勾配を緩和した経路に線路が移され、以前ほどは眺望が望めなくなったという話もありますが、実際に何度かこの区間を乗車した経験からすると、今でも十分に「日本三大車窓」を名乗ってもよいと思えるほど素晴らしく雄大な車窓を眺めることができます。この記事に貼ってある写真は、2005年に乗車したときに列車の中から撮影したものです。

観光列車に力を入れているJR東日本やJR九州なら、間違いなく、この区間には頻繁に観光列車を走らせているでしょう。いち鉄道ファンとしては、何とかこの区間を復旧させて、観光列車で観光客を呼んでほしいと思っています。観光地としても人気のある美瑛や富良野からも近いので、十分に需要はありそうに思うのですけどね。

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