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宗谷本線を巡ってJR北海道と沿線自治体が協議入り、存続目指すも路線が長く協議は難航しそうです

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線路

JR北海道が昨年11月に公表した「当社単独では維持することが困難な線区」に関して、宗谷本線の沿線自治体とJR北海道の協議が始まったとの報道がありました。宗谷本線の名寄~稚内は廃止ありきではないですが、JR北海道の単独維持は困難としており、存続に向けた費用分担が大きな議題になりそうですが、路線長が180km以上にも及ぶため協議が難航するのではないかと思います。

宗谷本線 名寄~稚内の存続に向けて沿線自治体とJR北海道が協議を開始

昨年11月にJR北海道が公表した「当社単独では維持することが困難な線区」の一つである宗谷本線の名寄~稚内を巡って、沿線自治体などでつくる宗谷本線活性化推進協議会とJR北海道の協議が始まりました。公表前に廃止・バス転換を打診していた線区以外では、維持困難線区の公表後、初の協議入りとのことです。

mainichi.jp

上記報道によると、今回の協議の概要は以下の通りです。

  • 4月14日に名寄市内で、宗谷本線活性化推進協議会が、JR北海道を交えて、初の実務者会合を開催
  • 北海道や北海道運輸局もオブザーバーとして参加
  • JR北海道が宗谷線の現状を説明、今後の利用促進策について議論
  • 正確な利用実態について早急に把握することを確認

初回の会合でしたので、厳しい議論はなかったようですが、まずはJR北海道も同席して協議が始まったことで一歩前進したのではないかと思います。

有識者会議では重要路線と示された宗谷本線

北海道の作業部会が取りまとめた「将来を見据えた北海道の鉄道網のあり方について」という報告書では、以下の6つに類型に区分して議論するとされています。

  1. 札幌と中核都市等をつなぐ路線
  2. 広域観光ルート
  3. 国境周辺・北方領土隣接地域の路線
  4. 広域物流ルート
  5. 地域の生活路線
  6. 札幌近郊の都市圏路線

このうち、宗谷本線は「3. 国境周辺・北方領土隣接地域の路線」に該当します。上記報告書では、

ロシア国境に近接する宗谷地域については、我が国の領海、排他的経済水域等の保全に重要な役割を果たしている特定有人国境離島地域(利尻、礼文)を有し、産業の振興や生活条件の改善を通じて定住の確保等を図ることが不可欠であり、今後のロシア極東地域と本道とのさらなる交流拡大の可能性を踏まえ、引き続き鉄路の維持を図る必要がある。

(出典)将来を見据えた北海道の鉄道網のあり方について(要約版), 平成29年2月7日, PDFファイル

とされていて、6つの類型の中では、1.と並んで重要度の高い路線とされています。「引き続き鉄路の維持を図る必要がある」とまで記載されていますので、廃止ありきの議論はされないと思われます。

線路維持の費用分担が協議の主題になりそうだが、国の支援を得られるかがポイントか?

存続を目指して協議を進めていくなかで、重要なポイントになりそうなのが、老朽化した土木構造物を含む線路インフラの維持費用をどのように分担するかです。

JR北海道が公表した「当社単独では維持することが困難な線区」の中で、宗谷本線の名寄~稚内は、

特急列車の運行線区であるが、明治44年に完成した上新府橋梁に代表される100年を経過した老朽土木構造物が多く存在し、維持管理に苦慮しているほか、地質が脆い箇所があり、集中豪雨による災害が頻繁に発生する線区。また、輸送密度も500人未満とご利用が少ない線区。

(出典)「当社単独では維持することが困難な線区」について(JR北海道)

とされています。

この区間は、路線長が183.2kmもあるうえ、沿線は北海道内でも最も人口密度の低い地域であり、沿線自治体だけで費用負担するのは現実的ではないと考えられます。

そうなると、期待されるのは、国や北海道の支援です。宗谷本線の特徴としては、

  • JR貨物の貨物列車が運行していない(JR貨物からの線路使用料の増額は期待できない)
  • 地域内の高規格幹線道路網の整備が進んでいない(「将来を見据えた北海道の鉄道網のあり方について(要約版)」より)

といった点が挙げられます。前述の国境周辺地域特有の条件もあり、国や北海道が支援しやすい事情が揃っています(裏返せば、沿線自治体以外に支援できるのは国か北海道しかない)。

以上、宗谷本線を巡り、JR北海道と沿線自治体が協議入りしたという話題をお届けしました。宗谷本線に冬季に乗車すればわかりますが、極めて厳しい自然条件の中、ほとんどが荒野の中を走る路線ですので、沿線地域で支えるのも限界があります。国策上重要ということであれば、早めに国の支援が得られるような方向で働きかけをしていく必要がありそうです。