読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

K'z Lifelog ~青春18きっぷと乗り鉄のブログ~

青春18きっぷの話題をはじめ、汽車旅のノウハウや鉄道関連のニュースなどを思うままに綴っていく乗り鉄ブログです。

日高本線の高波被害区間の復旧を断念、DMV導入も模索?

おすすめ記事Pick Up! 【トップページ】 まずはこちらから!青春18きっぷ・おすすめ路線など当ブログおすすめ記事の目次です
【おトクなきっぷ】 おすすめのフリーきっぷ紹介記事まとめ
【注目記事!】西武「S-TRAIN」&東武「特急リバティ」関連記事まとめ

襟裳岬

高波被害で2015年1月から2年以上に渡って不通となっている日高本線ですが、JR北海道のバス転換の提案に対して、沿線の7町長が被災区間の復旧を断念したことがわかりました。一方で、被災していない区間にDMVを導入する構想も検討されているようです。

日高本線の高波被害区間を巡るこれまでの経緯

2015年1月の高波被害により、日高本線の大部分を占める鵡川~様似間が不通となっていました。この区間を巡る動きを簡単にまとめてみます。

  • 2015年1月の高波による土砂流出により、鵡川~様似間が不通となる
  • 2015年9月の台風17号の被害により、同区間に更なる路盤流出が発生する
  • 2016年1月にJR北海道が概算工事費を発表、以降、北海道・沿線自治体を交えた費用負担の協議が続く
  • 2016年10月、沿線自治体は、JR北海道が示した費用負担は受け入れられないと反発
  • 2016年11月、JR北海道が発表した「単独で維持困難な路線」に日高本線の鵡川~様似も含まれる
  • 2016年12月、JR北海道が復旧断念を発表するも、沿線自治体は反発
  • 2017年2月、JR北海道からの正式な鉄道廃止・バス転換の提案に対して、被災区間の復旧断念で合意

上記のように、費用負担をめぐる協議が続いていましたが、工事費が莫大なため、沿線自治体は受け入れられない状況になっていました。

不通となってからすでに2年を経過していたこともあり、今回、JR北海道の鉄道廃止・バス転換の提案に対して、沿線自治体の7町長が被災区間の復旧断念で合意したということです。

日高線DMV導入検討 沿線7町長 被災区間の復旧断念(どうしん)

維持困難路線にも含まれた日高本線

日高本線は、JR北海道が2016年11月に発表した「単独で維持困難な路線」にも含まれています。

「当社単独では維持することが困難な線区」について(JR北海道), PDFファイル

この中で、日高本線の鵡川~様似間の116.0kmは、『既に「持続可能な交通体系のあり方」等について話し合いを始めている線区』と位置づけられています。また、

運営赤字とは別に将来に亘り列車運行を継続していく場合には、老朽土木構造物の維持更新費用として今後10年間で53億円程度が必要であるほか、海岸浸食対策として離岸堤の整備が別途必要 ※台風災害等による復旧費は86億円になると試算。

(出典)「当社単独では維持することが困難な線区」について(JR北海道)

と書かれています。

ちなみに、この区間は、輸送密度が186人/キロ/日(平成26年度実績)となっています。上記の維持困難路線の発表の中で、輸送密度200人以下の路線はバス転換を相談するとされており、高波・台風被害がなかったとしても、路線廃止・バス転換を検討することになっていたと思われます。

DMV導入は現実的なのか?

被災区間の路線廃止は残念ですが、ようやくバス転換に向けて話が進みそうになってきました。その中で気になるのが、被災していない区間の線路を残し、DMVを走らせるという構想があると報道されていることです。

DMVとは?

DMV(デュアル・モード・ビークル)は、マイクロバスに車輪をつけることで、線路と道路の両方を走行できるようにした車両です。2000年頃からJR北海道が研究開発を進めていましたが、昨今の経営難で開発を断念した経緯があります。現在は、徳島県が引き継いで開発を続けていて、2020年までに阿佐海岸鉄道への導入を計画しています。

日高本線へのDMV導入は?

被害を受けていない線路を有効活用するという意味では考えられなくもないですが、上記のJR北海道の発表では、

  • 老朽土木構造物の維持更新費用として今後10年間で53億円程度が必要
  • 海岸浸食対策として離岸堤の整備が別途必要

とされており、線路の維持にも大きな費用がかかる見込みです。しかも、被災箇所は大きく分けて2か所にあるため、被災していない区間の線路を維持しても、細切れになってしまいます。

日高本線の大部分は国道235号線(浦河国道)に沿っているため、この国道を走るバスに転換することで、地元住民の足としては不都合はないように思えます。

さらに、現在開発されているDMVは定員30名程度のマイクロバスをベースとしているため、通常の路線バスに比べると輸送力も劣ってしまいます。

ということで、現時点ではDMVを導入するメリットはあまりなさそうに思えます。どんな活用法を考えているのか、今後の議論で明らかになっていくでしょうから、議論の推移を見守りたいと思います。