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【乗車レポート】 豪雨被害から6年が過ぎた只見線に乗車してきました! 被災箇所は未だ手付かずも、美しい車窓は健在でした!

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夏休みを利用して、青春18きっぷでの汽車旅に出てきました。今回の目的の一つは、2011年夏の豪雨被害で一部不通になったままの只見線に乗車することでした。この記事では、代行バスも含めた只見線の乗車レポートをお伝えします。只見線の魅力が少しでも伝わればいいなと思います。

只見線の現状

まず、只見線の現状を整理しておきます。

只見線は、新潟県の小出と福島県の会津若松を結ぶJR東日本の路線です。全長135kmにも及ぶ非電化単線で、全線を走る列車は1日3往復という超ローカル線です。会津盆地や只見川の車窓が美しい路線でもあります。

2011年7月の新潟・福島豪雨で被災し、一部区間が運休中

この只見線ですが、2011年7月の「新潟・福島豪雨」で被災し、3箇所の橋梁が流されるなど甚大な被害を受けてしまいました。その影響で、現在も、会津川口~只見間(27.6km)が運休のままとなっていて、代行バスが運行されています。

JR東日本はバス転換を提案も、福島県や沿線自治体の費用負担で鉄路復旧を決定

もともと超赤字路線だった只見線ですが、この被災を機に、鉄道廃止・バス転換の議論が起こりました。只見線全線での運賃収入が約1.7億円/年のところに、復旧費用が100億円を超えるという試算が出されたのですから、無理もありません。

それでも、JR東日本と、福島県や沿線自治体でつくる協議会が交渉を重ね、福島県と沿線自治体が復旧費用の3分の2を負担し、さらに、被災区間の設備を保有する(上下分離)ことで決着し、鉄道での復旧が決まりました。

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只見線乗車レポート

会津若松から小出まで、途中の代行バスも含めて、全線に乗車してきましたので、その乗車記をお届けします。ちなみに、乗車した列車と代行バスは以下の通りです。

  • 会津若松 06:00発 → 会津川口 08:01着 (423D)
  • 会津川口 08:15発 → 只見 09:05着 (代行バス 423)
  • 只見 09:30発 → 小出 10:43着(2423D)

会津盆地をぐるっと半周?(会津若松→会津坂下)

会津若松に停車中の只見線

早朝の会津若松駅。平日ですが人影はまばら。まだお盆休みの人が多いのでしょう。改札で青春18きっぷに日付スタンプを押してもらって、只見線のホームへ。既にキハ40形の2両編成が入線していました。

只見線キハ40の車内

車内は長いロングシートです。只見線にロングシートはいらないのでは、と思いますが…。事実、途中ですれ違った列車は、みなボックスシートでした。この車両だけ特別(?)なのでしょうか? 車窓を楽しみたい乗り鉄にとっては、ロングシートはつらいですね。

6時ちょうどに会津若松を出発。乗客は2両で合計20名弱。早朝の列車ですし、ローカル線のお得意様でもある高校生は夏休み。てっきり1両だと思っていたので意外でした。実際には1両で十分すぎるほどでしたが…。

只見線は、会津若松を出ると、真っすぐ小出に向かうのではなく、会津盆地の南半分を半周するような形で進みます。まず南下し、会津本郷のあたりから今度は北上します。会津若松よりも北にある会津坂下という駅から、ようやく終点の小出の方角にあたる南西方向に進路を取ります。

会津盆地の風景

この間、車窓からは、会津盆地に見渡す限り続く田畑の風景を眺めることができます。周囲を山に囲まれているのですが、この部分だけぽっかりと平らになっているのが不思議です。

プチ峠越え(会津坂下→会津柳津)

会津坂下を出ると、会津盆地の西側の山地を超えていきます。先ほどまでの盆地の風景が一変し、うっそうとした木々の中を登っていきます。キハ40のエンジンが大きくうなり、スピードも落ちてきます。次の駅、塔寺(とうでら)あたりが峠の頂上でしょうか。そこから徐々に下り、視界が開けると会津坂本に到着です。

南会津の里山の風景

低い山に囲まれた小さな平地に、集落と田んぼが見られます。只見線では、このような里山の風景が多くみられますね。

この日は天気が悪く、雨模様だったこともあって、何となく幻想的な雰囲気に見えました。あいにくの雨で残念だと思っていましたが、この風景を見ると、雨でもいい雰囲気の景色が見られるものだな、と思った次第です。

07時03分、定刻どおりに会津柳津に到着。只見線の沿線では比較的大きな町です。ここまで会津若松から約1時間、わずかに乗降はあったものの、乗客の数はむしろ減る方向。残っている乗客は、青春18きっぷで乗りとおす人たちだけでしょう。

只見川に沿う川の路線(会津柳津→会津川口)

会津柳津を出たあたりから、車窓に川が見えるようになってきます。

只見線から見た滝谷川の風景

滝谷駅を過ぎたところで、只見川の支流の滝谷川を渡ります。

水量が豊富な只見川

ここから先は、蛇行する只見川を何度も渡ります。途中にダムが多くあるため、ダムの前後で大きく水量が変化します。只見川の流れに逆らって、上流に向かって進んでいるはずなのですが、途中で水量が急に多くなったり、川面が急に高くなったりしてビックリします。 ここ何日かの雨の影響で、いつもより水量が多いのではないかと思います。水も心なしか濁っています。

早戸駅付近の只見川

只見川に最も近い駅、早戸駅付近の車窓です。水が若干濁っていて、水量が多いのがわかります。さほどの大雨でなくともこれほどの量の水を湛える只見川ですから、集中豪雨になったら、その威力は恐ろしいものになるでのでしょう。

以前からこの駅で途中下車したいと思っていたのですが、次の列車では、只見から先が6時間後(!)になってしまうので、泣く泣く諦めました。

このあとは、ずっと只見川の脇を通って、08時01分、小雨が降る中、終点の会津川口に到着しました。

会津川口駅に到着した只見線

会津川口駅のホームは只見川のすぐ脇にあります。只見線では主要駅の一つですが、途中下車したくなる駅の一つですね。もっとも、しばらくは只見線の北側の終点駅ですが。

下車した人たちは、(私も含めて)写真撮影に夢中になっていました。

会津川口駅で代行バスに乗車

只見線代行バス

会津川口から先は、豪雨被害の影響で只見線は不通ですので、代行バスに乗車します。代行バスとは言っても、上の写真のようなマイクロバスです。このバス1台で十分という事実が、只見線の現状を物語っています。

車内改札時にどこまで乗車するのかを聞かれ、それによって手配するバスの車両の大きさや台数を決めるらしいのですが、このときは聞かれませんでした。まあ、青春18きっぷで乗車している人はおそらく代行バスに乗車するでしょうし、きっぷを購入した人は、車内改札時にどこまで乗車するかわかりますから、それで十分なのでしょう。

結局、代行バスに乗車したのは10名ほど。みな旅行者のようでしたので、青春18きっぷでの乗車でしょう。

運休区間は手付かずのままで廃線跡のよう(会津川口→只見)

代行バスは08時15分に会津川口駅を出発します。ここから只見駅までは、国道252号線(沼田街道)を走っていきます。只見線の線路もほぼ並行していますが、ところどころで線路が国道とは反対側の岸を通っているところがあり、このような場所では線路の様子がよくわかりました。

第5只見橋梁

会津川口を出て最初の橋が「第5只見橋梁」です。この橋は、会津川口側の橋桁が一部流されてしまっています。写真の右側のほうの橋桁がないのがわかるでしょうか。被災直後は、線路が宙づりになったまま残っていたのですが、既に撤去されています。

会津川口の次の駅、本名駅を過ぎた直後にある第6只見橋梁は、橋桁の大部分が流失してしまっていました。バスの座席の反対側だったので、写真を撮れませんでした。

第8只見橋梁

上の写真は、会津塩沢駅を出たすぐ後にある「第8只見橋梁」です。只見線の撮影名所の一つでもあります。橋が流されているわけではないので、特に被災していないように見えますが、JR東日本の資料によると、豪雨によって橋桁の上の線路まで冠水し、盛土崩壊や地盤沈下、土砂堆積などの被害があるようです。

写真の右側部分には、堆積した土砂の上に雑草がかなり生えています。まるで廃線跡のようで、悲しくなりました。

(参考)只見線(会津川口~只見間)について(JR東日本 2013年5月22日)

運休区間

この線路に再び列車が走るのは、早くて2021年。それでも鉄道での復旧が決まっているので、希望が持てますね。

代行バスは、途中駅の近くの停留所に停車しながら進みます。途中で地元の方と思われる年配の男性が一人乗ってきましたが、下車する客はなし。その男性も含めて、全員が只見駅まで乗車しました。代行バスは、ほぼ定刻通りの09時05分に只見駅に到着しました。

只見駅からはデッキ付きのキハ48に乗車

只見駅に停車中の只見線縁結び

只見からは、再び鉄道での旅を再開します。只見駅にやってきたのは、キハ48の2両編成。1両は「只見線縁結び」のラッピング車両で、2015年9月から2017年9月末までの予定で走っています。紅色が眩しい塗装で、一筆書きで只見の観光素材が描かれています。また、小出(恋)から会津(愛)につながる列車ということで「縁結び列車」としたそうです。

(参考)只見線ラッピング車輌出発セレモニー | 只見町観光まちづくり協会 公式Webサイト

只見線キハ48の車内

さて、車内はボックスシートがずらっと並びます。そして、このあたりでは珍しく、ワンマン列車対応の改造がなされていないため、デッキが残っていますし、乗務員室も完全に仕切られています。只見線を走る車両で、ワンマン列車対応でないキハ48が残っているとは思いませんでした。

六十里越の長大トンネル(只見~大白川)

只見駅からの乗客も加えて、先ほどの代行バスに比べるとかなり乗客は多くなりました。それでも、一グループでボックスを占領できるほどの乗り具合です。私も進行方向左側のボックスを確保して、のんびりとした汽車旅を楽しみます。

只見駅を09時30分に出発。すぐに田子倉トンネルという長いトンネルに入ります。そして、トンネルから出たと思ったら、今度は六十里越トンネルという全長6km以上にも及ぶトンネルに入ります。

この区間は、トンネルの南側に田子倉湖(田子倉ダム)が広がるところで、新潟・福島県境にもあたる険しい地形の地域です。田子倉トンネルと六十里越トンネルの間に「田子倉駅」という小さな駅がありましたが、2013年のダイヤ改正で廃止されました。そのため、只見駅から次の大白川駅までは29分もかかります。

破間川に沿って魚沼丘陵へ(大白川~小出)

破間川の流れ

トンネルを抜けると車窓は一変し、渓谷と森の中を走っていきます。県境を超えた新潟側は只見川ではなく、末沢川、そして途中から破間川(あぶるまがわ)となる渓流のような流れの川になります。

破間川は信濃川の支流で、最終的には新潟で日本海に注いでいます。福島県側の只見川も、最終的には阿賀野川となって新潟で日本海に注ぎますが、川の流れる経路が全く違います。それでも、両者の河口はいずれも新潟市街のすぐ近くにあります。六十里越トンネルのすぐ近くで極めて接近していた川が、それぞれ全く別の道のりをたどって、最終的には近接した河口にたどり着くというのが不思議ですね。

小出駅に到着した只見線

そんな破間川の流れに沿って進んでいき、次第に視界が開けて水田が増えきます。このあたりは魚沼丘陵の北側。言わずと知れた「こしひかり」の産地です。小さな町が見えてくると、10時43分、終点の小出に到着しました。

里山を走り抜ける只見線、復旧後の観光列車にも期待!

以上、只見線の乗車レポートをお送りしました。前回の乗車は豪雨被害で不通になる前でしたから、久々の乗車でした。

只見線には、飯田線のような秘境感や、宗谷本線のような最果て感はありませんが、南会津の里山を結んでのんびり走ります。只見川の豊かな流れとともに、この、どこか懐かしい里山の風景が只見線の魅力でしょう。

一方、沿線には大きな都市が全くありません。今回の乗車したのは、1日3本しかない全線を走る列車(代行バスを含みます)でしたが、乗客はまばらでした。しかも、半分以上が青春18きっぷでの旅行客。夏休み期間中とはいえ、あまりにも地元の人たちの乗車が少ないと思いました。

福島県や沿線自治体が、莫大な復旧費用を負担してまで鉄道での復旧を決めた一番の理由が、観光振興です。沿線は過疎化が進み、乗客の増加は見込めませんので、いかにして観光客に来てもらうかが、只見線の将来を決めます。全線で復旧したら、沿線の懐かしい里山の風景をウリにした観光列車などを走らせてほしいと思いますね。