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中央快速線・青梅線へのグリーン車導入が2024年度以降に再度延期、グリーン車サービスでわかっていることまとめ

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中央快速線・青梅線へのグリーン車の導入時期が再び延期されることになりました。2023年度末を予定していましたが、少なくとも1年程度は遅れる見込みとのことです。普通列車グリーン車のでは初の両開きドアの導入など、他路線との違いもあります。この記事では、中央線快速・青梅線へのグリーン車導入について、わかっていることをまとめます。

2023年度末のサービス開始が少なくとも1年延期へ!

JR東日本は、中央快速線・青梅線へのグリーン車のサービスを、2023年度末に開始すると発表していました。

ところが、2022年4月下旬に発表された2022年度の設備投資計画のニュースリリースで、中央線快速・青梅線へのグリーン車のサービス開始が、少なくとも1年程度遅れる見込みであることが発表されました。

グリーン車両の新造計画が世界的な半導体不足の影響を受けており、2023年度末を予定していたサービス開始が少なくとも1年程度遅れる見込みです。具体的なサービス開始時期については、決まり次第、お知らせします。

(出典)変革のスピードアップのための投資計画~2022年度設備投資計画~(JR東日本mニュースリリース 2022年5月6日 PDF)

当初は、2020年度にもサービスが開始される予定でしたが、どんどん延期され、現在に至っています。これまでの経緯は以下のとおりです。

中央線快速・青梅線へのグリーン車導入の詳細、中央快速線E233系全58編成に導入へ

現時点(2022年5月時点)でわかっている内容をまとめてみます。

  • 中央快速線・青梅線のグリーン車のサービス開始時期は2024年度末以降
  • グリーン車のサービス区間は以下のとおり
    • 中央快速線(東京~大月)
    • 青梅線(立川~青梅 ※中央快速線との直通列車のみ)
  • 2階建てグリーン車を116両新造(1編成2両✕中央快速線全58編成へ導入)
  • グリーン車の導入位置は他線と同様の4号車・5号車
  • グリーン車の乗降ドアを、片引きドア(幅810mm)から両引きドア(幅1,310mm)に変更
  • 普通車にトイレを設置(グリーン車導入前の4号車、導入後の6号車, 2018年度から順次更新、更新後はグリーン車導入前でも利用可能)

以下、それぞれ詳しく見ていきます。

グリーン車のサービス区間は現在10両編成の列車が走る区間

中央線快速・青梅線のグリーン車のサービス区間は、現在、10両編成のE233系電車が走る区間となります。

中央線快速・青梅線のグリーン車導入区間

中央線快速・青梅線のグリーン車導入区間

(出典)中央快速線等へのグリーン車サービス開始時期および車内トイレの設置について(JR東日本 プレスリリース 2018年4月3日 PDFファイル)

具体的には、中央線快速の東京~高尾~大月間、青梅線の立川~青梅間(中央線快速との直通列車のみ)となっています。

最も運転本数の多い東京~高尾間の快速列車の所要時間が1時間15分程度、東京~大月間は2時間程度となります。1時間を超える区間であれば、グリーン車の需要もかなりあるものと思われます。

他路線と同じく4号車・5号車にグリーン車を連結、中央線快速は12両編成へ

中央線快速・青梅線のグリーン車の連結位置は、他路線のグリーン車と同じく、4号車・5号車となります。中央線では東京側の車両が1号車ですから、東京寄りの先頭から4両目と5両目がグリーン車となります。

中央線快速・青梅線のグリーン車連結位置

中央線快速・青梅線のグリーン車連結位置

(出典)中央快速線等へのグリーン車サービス開始時期および車内トイレの設置について(JR東日本 プレスリリース 2018年4月3日 PDFファイル)

中央線には、10両の固定編成のほかに、6両+4両の分割編成が運転されています。分割編成では東京寄りの6両編成のほうにグリーン車が2両組み込まれて、8両+4両の編成となります。

また、あわせて、普通車へのトイレの設置工事が実施されています。現在の10両編成の4号車(グリーン車導入後は6号車)に順次トイレが設置されており、2022年5月現在、すでにトイレが設置された車両も運転されています。

中央線快速・青梅線は、グリーン車の連結により、12両編成となります。他路線では、普通車をグリーン車に置き換える形での導入でしたが、中央線快速・青梅線では純粋に増結となります。そのため、各駅でホームの延伸工事も実施されています。

中央線快速・青梅線のグリーン車では両開きドアを採用

中央線快速・青梅線のグリーン車イメージ

中央線快速・青梅線のグリーン車イメージ

(出典)中央快速線等へのグリーン車サービス開始時期および車内トイレの設置について(JR東日本 プレスリリース 2018年4月3日 PDFファイル)

他路線のグリーン車の乗降ドアは片開きドアですが、中央線快速・青梅線では両開きドアが採用されます。

両開きドアに変更する理由として、ニュースリリースでは以下の2つがあげられています。

  • 東京駅における短時間での折り返しを可能とするため
  • 各駅でのスムーズな乗降を可能とするため

特に影響がありそうなのが、東京駅での折り返しでしょう。東京駅では、朝ラッシュの時間帯に、2分間隔で中央線快速列車が発車していきます。東京行きの上り列車として到着した列車が、2~3分後には、下り列車として発車していきます。

グリーン車の乗降に時間がかかっていては、この短時間での折り返しが難しいと判断したのでしょう。

中央線快速・青梅線グリーン車と特急列車の料金比較

中央線特急「あずさ」のE353系電車

中央線特急「あずさ」のE353系電車

中央線快速や青梅線には特急列車も運転されています。主要駅間の料金を、特急列車と普通列車グリーン車で比較してみましょう。

区間 指定席特急料金 普通列車
グリーン車
平日
普通列車
グリーン車
土休日
東京・新宿~
立川・八王子
760円 780円 580円
東京・新宿
~大月
920円 1,000円 800円
新宿~青梅 760円 780円 580円
東京~青梅 920円 1,000円 800円

※指定席特急料金は「えきねっとチケットレス」料金(通常の指定席特急料金から100円引き)

平日の料金で比べてみると、東京・新宿~立川・八王子ではほぼ同水準、東京・新宿~大月や東京~青梅では、指定席特急料金のほうがやや安くなります。

1日1~2往復の通勤特急しか運転されていない青梅線はともかく、中央線には、日中時間帯も含めて「あずさ」「かいじ」がおおむね30分間隔で運転されています。特急列車にもそれなりに乗車機会があるとすると、速達性のある特急列車のほうが料金が安いという逆転現象が発生します。

一方で、普通列車グリーン車が運転されている区間で特急列車が停車するのは、新宿、立川、八王子、大月(青梅線では青梅)のみ。これ以外の駅へは、快速列車や普通列車への乗り換えが必要となります。普通列車グリーン車は、特急列車が停車しない駅への直通需要(乗り換え不要)を拾うことができそうです。

なお、土休日は普通列車のグリーン料金が安くなるので、いずれの区間でも、普通列車グリーン車のほうが安くなります。

通勤路線へのグリーン車導入、運用はどうなる?

中央線快速へのグリーン車の導入は、通勤路線への初のグリーン車導入ということになります。

これまで、首都圏の普通列車グリーン車は、いわゆる中距離電車(近郊路線)の列車に連結されていました。

一方、中央快速線は通勤路線(通勤電車が走る路線)ですので、朝のラッシュ時間帯は非常に運転本数が多くなっています。そのため、通勤電車の運転本数に対応した運用が必要になりそうです。

一番の課題は、東京駅での折り返しをどうさばくか でしょう。

中央快速線の平日のダイヤを見ると、東京駅発の下り列車は、午前8時台に何と27本もあります。2分に1本は東京駅から列車が発車することになります。しかも、東京駅の中央快速線ホームは2つだけ。車両を留め置いておく場所もないため、東京駅に到着した上り列車は、2分後には下り列車として発車していく のです。

他線では終点で一旦ドアを閉めグリーン車を清掃する(東海道線 熱海駅)
他線では終点で一旦ドアを閉めグリーン車を清掃する(東海道線 熱海駅)

他路線では、終点に到着した列車が、折り返し列車として運転される場合、グリーン車の清掃が実施されます。座席を進行方向に回転させ、ゴミを回収するなど、簡単なものですが、それでも数分を要します。

この作業を、2分で折り返さなくてはならない東京駅で、どのように実施するのかといったことが課題になりそうです。

ふつうに考えると、乗客が下車して、折り返し列車の乗客が乗車するだけで、1~2分は必要ですから、グリーン車を閉め切って清掃をする余裕はありません。

そうなると、

  • 東京駅でのグリーン車の清掃は省略(下り方の終点駅=高尾・大月・青梅等で実施)
  • 座席の回転は乗客が実施

ということになるのではないかと思われますが、さて、どうなるでしょうか?

中央線・青梅線でも青春18きっぷ+グリーン券でグリーン車に乗れる!

2024年度以降のサービス開始ということで、まだ少し時間はありますが、乗り鉄にとって嬉しいのは 青春18きっぷで楽に移動できる列車が増える ことですね。

以下の記事で紹介しているように、普通列車グリーン車には、青春18きっぷ+グリーン券で乗車できます

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また、中央快速線は基本的にロングシートですし、高尾から先の普通列車にもロングシートの車両が増えてきています。東京~大月は2時間弱かかります。河口湖発着も含めて、大月発着の列車は1日15往復程度と多くはないですが、この2時間をグリーン車でゆったりと移動できるのはありがたいですね。


以上、「中央快速線・青梅線へのグリーン車導入が2024年度以降に再度延期、グリーン車サービスでわかっていることまとめ」でした。他路線と異なる環境へ導入されるグリーン車がどのように運用されるのかも気になりますが、乗り鉄にとっては快適に移動できる列車が増えることが嬉しいですね。

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コメント

  1. モルト より:

    はじめまして
    いつも楽しみに読まさせていただいてます
    中央線グリーン車
    東京ー新宿間の下り列車は4号車のみ 上り列車は5号車のみの営業として、車内整備の時間とすれば東京駅2分の折返しが出来ますね
    有り得ないですか?

  2. kzlife より:

    モルトさん、はじめまして。
    コメントありがとうございます。
    東京~新宿間で車内整備はありそうですね。
    モルトさんのおっしゃるように、1両ずつ清掃するのか、あるいは、新宿で清掃員が乗ってきて、空席やゴミ箱の清掃を始めるのもありかもしれません。
    これまでのグリーン車とは違う運用が必要なはずですから、どうなるのか楽しみですね。

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