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北陸新幹線延伸で大宮以南に「もう1本」は必要か?

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北陸新幹線E7系

北陸新幹線の大阪延伸に関して、麻生財務相が「大宮以南はもう1本新宿まで引けばよい」という発言をしていました。上越新幹線はもともと新宿起点の計画もありましたし、新幹線延伸時にたびたび話題に上る大宮以南の線路容量問題。本当にもう1本必要なのかを考えてみました。

大宮以南はこれ以上の増発は困難

新幹線の大宮~東京間は、東北新幹線(山形・秋田新幹線含む)、上越新幹線、北陸新幹線で、複線の線路を共用しています。大宮で東北新幹線と、上越・北陸新幹線が分岐するため、この大宮~東京間がボトルネックとなっているのです。

実際に、埼京線の駅で電車を待っていると、何本も新幹線が通過していきます。首都圏の、それなりに主要な通勤路線であるはずの埼京線よりも、新幹線のほうが圧倒的に本数が多いのです。

東京駅発の平日朝8時台の新幹線の時刻表を見てみます。

時刻 種別 行先 備考
00 やまびこ・つばさ 仙台・山形 臨時
04 Maxたにがわ 越後湯沢
08 やまびこ・つばさ 仙台・山形
12 かがやき 金沢
20 はやぶさ 新函館北斗
24 Maxとき 新潟
28 なすの 郡山 臨時
36 かがやき 金沢
40 はやぶさ・こまち 新青森・秋田
44 はくたか 金沢
48 やまびこ 盛岡
52 Maxとき 新潟
56 やまびこ・つばさ 仙台・山形

臨時も含めて、全部で13本あります。この時刻表を見る限り、4分に1本、つまり1時間に15本というのが最大でしょう。すでに、ぎりぎりまで詰め込まれていることがわかります。田端にある車庫に引き上げる回送列車を走らせるスジも必要なので、これ以上増発できないというのは間違っていないと思われます。

北陸新幹線延伸で本数を増やす必要があるか?

北陸新幹線が大阪まで延伸することで、東京発の北陸新幹線の本数を増やす必要があるかというと疑問です。

現在の東京からの所要時間は、金沢までは速達列車の「かがやき」で約2時間半です。金沢~新大阪は1時間19分とのことですので、北陸新幹線で東京から新大阪までは4時間弱といったところでしょうか。一方、東海道新幹線を利用すれば、金沢までの所要時間とほぼ同じ2時間半で新大阪に到着できます。途中の福井や敦賀あたりでは、北陸新幹線のほうが早くなりそうですが、そこまで東京からの需要が大きいとは思えません。

一方、現在の北陸新幹線の乗車率を見てみます。JR西日本が発行している「データで見るJR西日本」という冊子がJR西日本のWebサイトで閲覧できます。その中の、区間別平均通過人員を見てみます。

データで見るJR西日本:区間別平均通過人員および旅客運輸収入(平成27年度), PDFファイル

平成27年度のデータですが、北陸新幹線の上越妙高~金沢間は24,139人/日とあります。現在、東京~金沢を結ぶ列車は、かがやきが10往復、はくたかが14往復で、上下合わせて48本が走っています。E7/W7系電車の定員が934名ですから、単純計算では約54%となります。実際には、多客期の臨時列車や区間列車もありますので、これよりは若干低いものと想像されます。また、平成27年度は、北陸新幹線が開業した年であり、開業効果も含まれていると思いますので、今年以降は少し下がっているでしょう。40%台後半~50%程度といったところでしょうか。

この結果から見ると、多少の需要増であれば現在の本数で十分であることが想像できます。

他の新幹線延伸の例では、今年開業した北海道新幹線がありますが、東京発のはやぶさの本数は増えていません。それどころか、すべてのはやぶさが北海道新幹線に直通するわけではありません。路線が長くなるので、車両の増備は必要になるでしょうが、本数を増やすところまでは必要ないということでしょう。

大阪側からみると、金沢より先、たとえば長野までの需要は増える可能性があります。ただ、その場合は、大阪~長野の区間運転の列車を増やせばよいので、大宮~東京間には影響しません。

今のところ「もう1本」は不要か?

北陸新幹線の延伸だけを考えるのであれば、大宮以南の「もう1本」の新幹線は不要でしょう。

他の要因としては、もともと北陸新幹線の役割の一つとして考えられていた、東海道新幹線のバックアップルートがあります。東南海地震などで、東海道新幹線が長期運休となったときに、北陸新幹線を代替ルートとして活用しようという考え方です。東海道新幹線の需要を莫大ですので、それをまかなおうとしたらとても本数が足りません。しかし、現在の東海道新幹線の車両では、北陸新幹線を走行できません。一番大きな理由は電気方式の違いです。東海道新幹線は交流60Hzのみに対応していますが、北陸新幹線を走行するには、50Hz/60Hzの両方に対応する必要があります。つまり、線路だけ作っても、それに見合うだけの車両を用意しておかないと意味がありません。

ということで、今のことろは「もう1本」は不要ではないかと考えますが、事あるごとに何度も出てくる話なので、また忘れたころに出てくるんだと思います。