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JR北海道、日高本線鵡川~様似の復旧断念を表明、他の維持困難路線の協議への影響は?

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様似駅と日高本線

JR北海道が、昨年1月の高波被害で運休となっていた日高本線の鵡川~様似間の復旧断念を正式に発表しました。今後は、沿線自治体とバス転換に向けた協議を開始するとのことです。

日高本線 鵡川~様似の復旧を断念

JR北海道は、12月21日付けのニュースリリースで、日高本線の鵡川~様似間の復旧断念を発表しました。下記リンクからニュースリリースがご覧いただけます。

日高線(鵡川・様似間)の復旧断念、並びにバス等への転換に向けた沿線自治体との協議開始のお願いについて(JR北海道ニュースリリース, 2016年12月21日, PDFファイル)

これによると、沿線自治体等との間でつくる「JR日高線検討会議」や「JR日高線沿線自治体協議会」において協議を行ってきましたが、復旧及び運行の費用捻出ができないことから、復旧を断念することになったとのことです。

復旧を断念する区間は116kmにも及びます。現在運行されている苫小牧~鵡川間は30km程度に過ぎず、日高本線全体(約146km)から見ればほんの一部であり、大半の線区が廃止されることになります。

復旧費用は約86億円、今年の台風被害の倍以上

今回の復旧断念の理由の一つとして、被災区間の復旧費用が約86億円と非常に高額であることが挙げられています。

復旧費用の86億円は極めて高額です。今年8月の台風被害で、根室線・石勝線・石北線が被災し、長期間の運休を余儀なくされたことは記憶に新しいですが、この台風被害でさえ、全体の復旧費用は38億円と見込まれていました。それに比べると、日高本線の復旧費用は倍以上であり、この復旧費用の高さが復旧断念の一因となっているのは間違いないでしょう。

鉄道維持費用の負担困難も理由に

さらに気になるのは、復旧費用に加え、鉄道の維持に必要な費用を、JR北海道も沿線自治体も負担できないとしていることです。JR北海道は、上下分離方式による設備維持費用の負担を求めていましたが、沿線自治体が受け入れ困難と回答したことで、鉄道の維持が困難になったとのことです。

上記リリースでは、毎年の鉄道維持に必要な費用が16.4億円、そのうちJR北海道が負担する列車運行に係る経費約3億円を除いた13.4億円の負担を、沿線自治体に求めていました。

復旧を選択した只見線との違いは?

先日のブログ記事で、沿線自治体が必要な負担をすることで、只見線を復旧させる方針が決まったことをお伝えしました。

www.kzlifelog.com

こちらも復旧費用は81億円と高額なうえ、復旧後は上下分離での運行ということで、日高本線の状況と似ていました。ところが、大きく異なっていたのは、福島県が主催する協議会に沿線自治体とJR東日本が参加する形で議論が進み、復旧費用や復旧後の運行費用の負担割合を決めたことでしょう。

これによって、沿線自治体が、鉄道復旧によるメリットと費用負担を天秤にかけて、メリットのほうが上回り、毎年の運行費用の負担も可能という判断ができたのだと思います。

他の「維持困難路線」協議への影響は?

鉄道維持費用の話は、11月にJR北海道が発表した維持困難な路線の協議にも影響を及ぼしかねません

当社単独では維持することが困難な線区について【PDF/557KB】(JR北海道ニュースリリース 2016年11月18日)

これらのうち、大半の線区は、鉄道維持のために沿線自治体に負担をお願いする協議を進めるとしています。JR北海道が想定しているのは上下分離方式だと思われます。

今回の日高本線鵡川~様似間の協議では、復旧費用だけでなく、鉄道維持費用の負担も困難という結論になってしまいました。この結論が、これから協議を開始する他の線区へも影響があるのではないかと思います。対象となっている線区は13にのぼり、総延長ではJR北海道の路線の半分近くに及びます。

すでに経営危機に陥っているJR北海道と、過疎化・人口減少で財政に余裕のない沿線自治体が協議したら、日高本線と同様の結論になることは目に見えています。今回の日高本線の復旧断念が前例とならないよう、国や道も参加しての協議が必要であると、改めて感じました。