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実用化はいつか? 九州・北陸で期待されるフリーゲージトレイン

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北海道新幹線の三線軌条

現在、九州新幹線長崎ルートでの実用化に向けて開発が進められているフリーゲージトレインですが、どうも進捗が思わしくないようです。今回は、新幹線と在来線を乗り換えなしで結ぶフリーゲージトレインについて取り上げてみます。

耐久走行試験の再開を半年延期と発表

国土交通省は、2017年1月を予定していたフリーゲージトレインの耐久走行試験の再開を、半年延期すると発表しました。今のところ、フリーゲージトレインが最初に採用される予定の九州新幹線長崎ルートへの影響はなく、予定通り2025年の全面開業を目指すとしています。ただ、当初は2022年の開業前倒しに合わせて導入予定でしたので、すでに3年遅れています。その3年遅れから、さらなる遅れはない、という意味です。

フリーゲージトレインって?

フリーゲージトレインは、レールの幅(軌間)が異なる路線を、台車の車輪同士の幅を可変にすることで走行できるようにする仕組みを持った電車のことです。正式には「軌間可変電車」といいます。

日本では、在来線が狭軌(1067mm)、新幹線が標準軌(1435mm)となっていて、現在は同一の車両が行き来できないのですが、それを実現するためにフリーゲージトレインを開発しています。上記のニュースのとおり、一部在来線の線路を利用する九州新幹線長崎ルートや、北陸新幹線敦賀~大阪 への導入が予定されています。

これまでの開発の経緯は?

日本におけるフリーゲージトレインの開発は、基礎技術の開発が1994年から始まっており、すでに20年以上の年月を費やしています。

これまでの開発の経緯を簡単にまとめると、以下のようになります。

  • 1994年から鉄道総合技術研究所が台車や軌間変換の基礎技術の開発に着手
  • 1998年に第一次試験車、2003年に第二次試験車、2014年に第三次試験車を開発
  • 2014年10月に第三次試験車両を用いて実用化に向けた60万kmの耐久走行試験を開始するも、走行距離が3万kmを超えたところで車軸に摩耗や欠損が発生し、耐久走行試験を中断
  • 室内での走行試験を重ね、2017年1月に耐久走行試験を開始する予定だったが、不具合が解決せず、半年間遅らせることを発表(←いまここ)

本来は、2022年の長崎ルート開業時に間に合わせる予定でしたが、2014年の耐久走行試験の中断により難しくなりました。そのため、2022年の開業から3年間は、在来線特急とのリレー方式(新幹線と在来線の境界駅で乗り換える方式)で開業することになっています。

欧州ではすでに実用化されているフリーゲージトレイン

実は、欧州ではすでにフリーゲージトレインが実用化されています。最初に実用化したのはスペインで、自国の鉄道が広軌(1668mm)、他国が標準軌(1435mm)となっているなか、欧州各国との国際直通列車を走らせるために、1968年に実用化しています。

ただ、欧州の高速鉄道は、電気機関車が客車を引く動力集中方式で、フリーゲージの機構が取り付けられているのは客車のみ だそうです。電気機関車は、軌間が変わるところで付け替える運用になっているようです。

対して、日本の新幹線は、すべての車両に動力を持たせる動力分散方式を採用しています。いま日本で開発しているフリーゲージトレインは、動力をもった(モーターのついた)台車の軌間を可変にする 必要があるため、欧州のフリーゲージトレインとは異なる技術が必要になるとのことです。

フリーゲージトレインが実用化されれば適用範囲はかなり広い?

新幹線と在来線を自在に行き来できるフリーゲージトレインが実用化されれば、その適用範囲はかなり広いのではないかと思います。

新幹線から在来線への直通の需要は、かなりあるのではないかと思います。山形新幹線や秋田新幹線は、新幹線から在来線への乗り換えをなくしたことで、需要そのものが増加 しています。これらはフリーゲージトレインではなく、在来線のレールを狭軌から標準軌に変更する工事をすることで、在来線サイズの新幹線電車(現在のE3系やE6系車両)が直通できるようにしました。フリーゲージトレインが実用化されれば、レールの幅を変えるという大工事を行わなくても、新在直通の列車を走らせる ことができます。

まだ新幹線が来ていない主要都市への直通列車としては、以下のような候補が思いつきます。

  • 上越新幹線 新潟~羽越本線への直通
  • 山形新幹線 新庄~(陸羽西線)~酒田・鶴岡
  • 北海道新幹線 新函館北斗~函館,新函館北斗~函館本線への直通
  • 北海道新幹線 札幌~旭川など北海道各都市への直通(札幌延伸後)

都市間輸送の主役が新幹線に移行していくと、直通需要が増えてくるのではないかと思います。今のところ妄想に過ぎないですが、九州新幹線や北陸新幹線で実用化され、実績を積んでいけば、あながちありえない話ではないかと思います。今後の技術開発の動向を見守っていきたいと思います。