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JR北海道の維持困難路線発表に沿線自治体の困惑広がる、国・道主導の議論が必要では?

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JR北海道のローカル線

以前、JR北海道の維持困難路線の報道について記事を書きましたが、11月18日にJR北海道が正式に「当社単独では維持することが困難な線区について」を発表し、これ対して、沿線自治体からの反応が出てきています。総じて困惑しているという印象です。今後の協議の進展が危ぶまれます。

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JR北海道の半分の路線が「単独で維持困難」の衝撃

11月18日に、JR北海道が「当社単独では維持することが困難な線区について」というニュースリリースを発表しました。

当社単独では維持することが困難な線区について(JR北海道 ニュースリリース)

内容は事前に報道されていたとおりですが、13線区1,237kmを「当社単独では維持することが困難な線区」としていて、11線区1,150.7kmが「当社単独で維持可能な線区」となっています。つまり、半分以上の線区が維持困難 ということです。JR北海道は民間会社ですが、「自社の主力ビジネスの半分をやめたい」と言っているわけで、かなり切迫した状況になってきているように思います。

単独で維持困難な線区のうち、輸送密度200人以下の次の線区については、廃止を前提にバス転換を地元と協議するとしています。

  • 札沼線 北海道医療大学~新十津川
  • 根室線 富良野~新得
  • 留萌線 深川~留萌

一方、輸送密度200~2000人の線区については、土木設備の老朽化対策の費用なども含め「安全な鉄道サービス」を持続的に維持するための費用を確保できないとして、鉄道を維持する仕組みを相談したいとしています。費用削減、運賃値上げなどの具体的方策が示されていますが、JR北海道としては「上下分離方式」の採用を軸に交渉したいものと考えられます。

沿線自治体は困惑

沿線自治体の反応が出てきています。以下は、北海道新聞の記事へのリンクです。

詳細は上記リンク先をご覧いただきたいのですが、総じていうと、想像以上の路線数の多さに「困惑」しているという状況のようです。鉄道を維持できない地域ですので、人口が少なく、過疎化が進んでいる自治体が多く、「上下分離方式」と言われても費用負担ができる状況ではないということでしょう。

特に、道東・道北は、釧網本線、宗谷本線、石北本線などの幹線が対象になっていて、これらの路線が万が一廃止となると、道東・道北から鉄路がほぼ消えてしまうことになります。また、路線長が長いわりに沿線自治体の数が少なく、費用負担すると膨大な金額になるであろうことも、困惑の原因と考えられます。

鉄道だけでなく交通体系全体の議論が必要では?

沿線自治体の反応としては、「国や道に北海道の交通のあり方を示してもらいたい」というものが多いようです。これはまさにその通りで、民間会社であるJR北海道と、費用負担を求める沿線自治体だけで協議をしたら、おそらくほとんどの路線で費用捻出できず、廃止になってしまう恐れがあります。最悪のケースは、交渉が決裂し、JR北海道が赤字に耐え切れずに一方的に路線を廃止にしてしまうことでしょう。そうなってしまったら、バス等の代替の交通手段の手当てをする間もなく、公共交通機関が全くない地域が続出してしまいます。

一方、JR北海道の経営が厳しさを増している原因は、人口減少や過疎化だけではありません。道内の高速道路が整備され、それに伴って、特急列車による都市間輸送が減り続けていることも要因の一つです。高速道路は税金で作られているわけで、いわば最初から「上下分離」になっています。鉄道は一切不要で、高速道路さえあればよいというのであれば、このままでもよいのかもしれませんが、実際にはそう簡単な話ではありません。特に、北海道の場合、冬季は鉄道のほうが定時性に優れているうえ、雪道運転の苦手な高齢者を中心に鉄道の需要は一定数残っています。

JR北海道の路線をどうするかという議論ではなく、北海道全体での公共交通機関のあり方を議論すべき時代になってきていると思います。そういう意味では、道の動きが鈍いのが気になります。今回のJR北海道の発表に対して、北海道の高橋はるみ知事は、

「大きな危機感を持って受け止めている。JR北海道は、徹底したコスト削減など最大限の自助努力を進め、拙速な対応をしないよう強く求める」

JR北海道、路線の半分「維持困難」 13区間千キロ超:朝日新聞デジタル

という談話を出しています。JR北海道に努力を求めるのは間違ってはいませんが、とてもそれだけで解決する問題ではありません。ここは、道が中心になって議論を進め、鉄道を残すべきところは誰がどう負担するのか、廃止にする地域は公共交通機関をどうするのかといったことに結論を出していく必要があると思います。

現在の北海道は将来の日本の縮図?

国鉄分割民営化の際に、北海道を単独の会社にしてしまったことが間違いだったとする考え方もあります。現在のJR各社のローカル線の多くは、今回JR北海道が「単独維持困難」とした基準の輸送密度2000人を下回っていますが、災害で不通になった一部区間を除いては大規模な廃止には至っていません。しかし、それはあくまで現在の話であって、今後人口減少がさらに進むと、北海道以外のJR各社でも同様の議論が出てくることは間違いありません。そうなったときに、地域の公共交通機関がどうあるべきかを考えていくことになりますが、そのお手本となるのが今回のJR北海道の事例ではないかと思います。そういう意味でも注目していきたいと思います。

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